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魔王幹部、接近

『魔王幹部接近中! 魔王幹部接近中! 現在魔王幹部集団グループは、アルゼ村入り口付近へと接近中です! ハンターの方は、直ちに装備を整え、入り口の方へ向かってください!』

「……ん?」

 魔王幹部集団グループ・・・・・・

 ……具体的にはどのくらいの数なんだろう。


「に、逃げるぞ! もう無理だ! 一体でもきついってのに、集団グループだと!? 冗談じゃねえ!」

 俺の横を、大勢のハンター達が通り過ぎて行くのが分かった。

 ……は?

 おい待てよ。お前らハンターだろ。なんで逃げるんだよ。

 え、ちょっと待って。これ逃げるのが普通なヤツ? 俺がただ単に真面目すぎるだけなの?

 そう思っている間にも、ハンター達はどこかへと逃げ去っていく。

「……いやいやいやいや、ちょっと待てよ!!」

 気付けば、ハンターは俺一人だけになってしまった。

 ……ちょっと待って。ホントに待って。状況が把握できない。

 ぽつんと道端に取り残された俺は、辺りをキョロキョロ見回しながら、呆然と立ちすくむ。

 

「……………………」


 ―――俺は、地面を蹴って入り口付近へと走り出した。


                ■


 当然そこには、包囲網なんてものが存在するワケがなく。

 ただ俺の目の前に立っているのは、頑丈そうな鎧に身をまとった、3人の騎士だった。

 見るからにコイツらが、魔王軍の幹部だろう。矯めつ眇めつ俺は騎士達を見回しながら、ゆっくりと話しかけた。


「……お前らが魔王軍の幹部だよな? なんだ、案外数は少ねえじゃねえか」

「……それはこっちのセリフだ。なんだ? 貴様一人なのか? もっと大勢の敵と相手できると思ったのに」

 3人の中の赤い鎧に身をまとった騎士が、俺に訊いてくる。

「ああ、ハンター達なら、さっきどっかに逃げて行っちまったよ。だから今ここにいるのは、俺だけだ」

「……逃げただと? 雑魚共が」

「……それはそうと、いきなりこんな村に来てなんの用なんだよ」

 俺はボリボリと頭をかきながら、騎士達に一番気になっていた事を訊いた。

 すると、その中の光の騎士らしき人物が。


「この村だけではない。ここ以外の町や村にも数多くの魔物モンスターや幹部を送り、ハンター達を潰す計画にあたっている。最近は、どうも魔王グループ側が劣勢らしくてな。だからこうして、ハンター達を潰しに行く計画にあたったのだ」

「……なるほどなあ。残念だったな、逃げちまってて」

「フン、まあ仕方あるまい。まずは貴様を始末しよう」


 闇の騎士が、ギラリと俺を睨み付け、腰にぶらさげていた大剣を引き抜く。

 思ったんだけどコイツら、色がダサい。赤、黄色、紫って、組み合わせ的にダサい。

 そんな益体もない事を考えながら、俺は思わずため息をつく。

 ……しゃーねえ、こうなりゃちょっと腹をくくるか。


「「「……!!」」」

 俺の背中から生えてくる悪魔の翼を見て、騎士達が後ずさったのが分かった。


 ……あーあ。嫌な予感って、俺一人で戦わなきゃいけないって事だったのかよ。

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