やめてくださいいいいいい!!
「……京夜。二人は置いてきて大丈夫だったのか? 凄く嫌な予感がするんだが……」
「大丈夫だって。ラガースも、家族に手を出したりはしないだろ」
俺達は家に帰ると、即行でゴロゴロを再開していた。
いやあ、騒がしさが二人分減った。のんびりとゴロゴロできるのがいいね。
こんなに気持ちいい環境を、邪魔する奴らなんてもういないだろう。
……あ、しまった。
「佐々木・京夜! 一億ゼニーを受け取りに来た!!」
ホラ来た来ました警察官。
■
一億ゼニーを払い、何とも言えない虚無感に浸った俺は。
ゴロゴロする気にもなれず、アルゼ村をうろついていた。
が、その考えは思わぬ誤算。周囲の人達の視線を忘れていたよ。
お姉さんの刺すような視線が痛い。最近俺の噂、広くに伝わってるみたいだしなあ。
…って、あれ?
「ガーブ、お前何やってんの?」
「ぎくうううううううううううううっ!?」
意を決した様に女性に近付いて行こうとするガーブに気付き、俺は声を掛けてみた。
何やってんだコイツ? 女性に近付こうとするなんて。
「べ、別になんでもない。そう、なんでもない。女性に近付こうとなんてしていない」
……分かった。コイツ、ナンパしようとしてたな。
視線を泳がせ漫画みたいなセリフを吐いているし、ナンパしようとしていたという事は事実だろう。
俺は口元をニヤリと歪ませると、叫ぶ。
「皆さああああああああああん!! ここに、俺以上の変態がいましたあああああああああああああ!! ナンパしようとしてましたあああああああああ!!」
「頼む、やめてくれ!! お願いします京夜様ああああああああああああ!!」




