ここに変態がいました!
「京夜~もっとこっち来なさいよ!」
「きょーや~どしたの?」
「どうしたんですか、京夜お兄ちゃん?」
「…………」
いや、ね?
……なんで、こうなっちゃったんだろうね。
無理矢理、風呂に入れさせられたんですよ。グラビティで。無理矢理。
そんなワケで俺は今、三人と、混浴中。
いや、風呂は一応温泉っぽく、濁り湯にしてるからいいんだけど……ねえ?
その、居づらさを感じるというか、何というか。
「……お前らさ、ちょっと恥じるとかないワケ? ホラそのこういうのってさ、『何入って来てんのよバカッ!』的なノリで、俺に平手打ちとかかましてくるんじゃないの? 違うの?」
「何レーディルさんみたいな変態的な事言ってるんです? もう私と京夜お兄ちゃんは既に混浴したことがあるじゃないですか。だったら何も問題ありません」
「いや、あのさあ……。……てかレーディルは? アイツどうした?」
「レーディルなら『天界に帰って踊り狂ってくる』とか言って帰っちゃったわよ。……というか、天界って一体どうなってるの? 京夜は天界と何の関係があるのよ?」
「……色々と、諸事情でね。というかお前ら近いんだよ! もうちょい離れやがれ!」
「あれ~? どうしたのきょーやー?」
俺が話している最中にも三人は近づいてきたので、俺は慌てて後ろに下がる。
すると、アークが俺を見ながら。
「きょーやはこういう時だけなんで恥ずかしがるのかな~? 普段変態なくせに、こういう時だけ恥じる臆病者なのかな~?」
「うるせえ! てか俺変態じゃねえよ!? いつから俺ってそんな扱い受けてんの!? ああもう近いしもうやめろ!」
コ、コイツら酒がまだ回ってやがるのか?
いや、俺はこのくらいじゃ動じない。紳士だもん。
だが流石にその……ね? こんなに近づかれると……いやいや、動じるな俺。
大丈夫、ロリ体形×1、ロリ×1、巨乳×1。大丈夫、耐えれる。
「お前らさあ! いい加減離れろって! それとも何!? 俺が好きなの!? 惚れてんの!? 何なの!? だったらこんな回りくどい事しないでもっとストレートに来いよツンデレ共が!」
「な、きょーやが! 言ってはいけないことを! 男として言ってはいけないことを!」
「うるせえ! 俺は心を癒しに来たんだよ! それがなんだ! こんなセクハラじみたことをされるわ! 癒すどころじゃねえよ、ストレス溜まってしょうがねえよ! 大体なんだ、それっぽい身体してんのはアルゼルトぐらいだろ!? ロリ二人に責められたぐらいで俺は動じねえぞボケ!」
「な、うわああああああああああああ!! きょーやが、きょーやがあああああっ!!」
「京夜お兄ちゃんが言ってはいけないことを言いましたああああああああああああああああああ!!」
「あっ、バカ野郎! そんな大声で叫んだら絶対……!」
―――俺の予感は的中した。
風呂場のドアがガラッと勢いよく開かれ――――
「うわあああああああ!! 京夜さんが混浴してるうううううううううう!!」
「変態だっ!! 真正の変態だああああああああああ!!」
「変態がいました! ここに変態がいましたあああああああああああああ!!」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
大声で叫ぶライア、コハク、レインの三人に、俺はたまらず涙目で叫んでいた。




