頼み事
「……で、頼みってなんだよ」
取りあえず落ち着いた俺たちは、コーヒーを飲みながら一息ついていた。
どうでもいいが、レーディルのニマニマくせは未だに治っていないっぽい。病院連れて行った方がいいのかな。
俺がそう思っていると、レーディルは心底楽しそうに。
「そうだそうだ! ……京夜、我の依代は知っているだろう?」
「依代? ……ああ、CDプレーヤーの事か」
「そうだ。……だが、我はそのCDプレーヤーをライト・ブランの城に置いて来てしまってな。このままでは不安なので、一緒に取りに行ってほしいんだが……」
「なんで? 別にわざわざ取りに行く必要もないだろ」
「いや、それがだな……」
―――――レーディルの話によると。
最近、天界はゾンビの魂で埋め尽くされていて、非常に危険な状態らしい。
全く、元凶は一体誰なのか。誰がそんなことしたんだろうね。
流石のレーディルも一人で行くのは危険なので、俺たちに来てほしい、と。
依代が壊されたりすると、完全に成仏してしまうらしい。だがレーディルは思い残したことが多すぎるので、まだまだこの世界に留まりたいんだとか。
そして、レーディルの話を黙って聞いていたシオンが。
「というか、京夜お兄ちゃんは一体何なんですか? レインさんとレーディルさんは天界の方とは聞いてますけど、京夜お兄ちゃんは全く関係ないですよね?」
「いや、まあ、その、なんだ。色々と諸事情でな。……レーディル、分かったよ。俺とレインも、天界に行ってやる。ただ――――一つ条件がある」
「なんだ?」
レーディルは相変わらずのニマニマした表情で、こちらを見てくる。
俺は、ゆっくりと口を開くと。
「シオンに、グラビティ系の魔法を教えてやってくんねえか? お前ならグラビティだって使えるだろ?」
「まあ、使えることには使えるが……」
そう言ってレーディルが、心配そうにシオンを指さし。
「このロリ娘が、グラビティの魔法なんて覚えられるのかってゴフッ!!」
「『グラビティ・ゼロ』」
早速レーディルは、グラビティによって頭を強打された。
すみません、若干最新が遅れているのには理由があります。
「あくおれ」をしっかりと書き直して、別の新人賞か何かに応募してみようと思いまして。それで最新が遅れ気味です。
新人賞用の作品がしっかりと書き終わったら投稿ペースも元に戻りますので、よろしくお願いします!




