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俺、異世界で悪魔になりました! ~あくおれっ!~  作者: 紅羽ユウ
グラビティ強化と依代探し!
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グラビティ強化!

「お座り」

「ピ!」

「お手」

「ピ!」

「……何やってるんですか」

 俺がピピに芸を覚えさせていると、シオンが興味深げに言ってきた。

 

「いや、その。なんかコイツに覚えさせたら便利な生活になるだろうしなあって思って。ホラ、多分もう少しで1億円が手に入るワケだし」

 アールドハンクの観光(?)が過ぎてから、2日後。

 そろそろ1億円が入ってくる頃である。俺は早速自堕落な生活を送ると、心に決めたのだ。

 そんな俺の様子を見て、シオンが呆れた様に。


「……ダメ人間にならないでくださいね? ……それよりも、相談したいことがあるのですが」

 そう言ってシオンは、俺の正面に座ってくる。

 今家にいるのは、俺とシオンとレインの3人だけだ。なんか皆、欲しい物があるとか言っていなくなってしまったのである。

「なんだなんだ。人生相談か? なんなら理科の先生辞めて、カウンセラーの先生にでもなってやろうか?」

「違いますよ! ……その、私の使う魔法の事についてなんですけど……」

 そこまでシオンが言いかけたところで、近くのソファーに座っていたレインがバッと起き上がった。


「魔法の事についてなら任せてください! 炎火魔法ですか? 水魔法ですか? 木力魔法ですか? 電気魔法ですか? 暗黒魔法ですか? この魔法神レイン様が、なんでも教えちゃいますよ!」

 そんなに魔法の名前ってあったのかよ。言い方初めて知ったわ。

 興奮気味のレインにコクリとシオンは頷くと。


「実は、私の使ってる『グラビティ』系の魔法についての事なんですが……。その、私のはちょっと威力が小さくて……。どうにかして威力を向上できないかなと……」

「なるほど、グラビティですか……」

 レインが困った様に腕を組んで考え始めた。


「え? いや、お前が教えてやればいいじゃん」

「私じゃあグラビティ系の魔法を教えるのは無理ですよ。アレは悪魔系のモンスターしか使えない魔法なんです。私見ての通り悪魔なんかじゃないので……どっちかと言ったら天使です」

「……。じゃあどうやってそんな魔法創ったんだよ」

「ああ……。私、悪魔系モンスターが使える魔法ばっか使ってたから死んじゃったんです。私は人間だった頃そこそこ魔力も高かったので、一発や二発は問題なく撃てたのですが……ちょっと撃ち過ぎちゃって。それである日、魔法の威力に耐え切れなくなって死んじゃいました」

「バカなのか?」

「いえ。魔法を創った天才ですが?」


 俺の言葉に、レインは真顔で答えてきた。

 ……それにしても、グラビティか。そういやシオンも、一応はモンスターなんだったっけ。

 そんな中、レインが気付いた様に、俺にコソコソと耳打ちしてくる。


『京夜さんならグラビティぐらい容易く撃てるんじゃないんですか? ホラ、悪魔ですし』

『やだよ。お前以外の奴に知られてたまるか』

『えー、大丈夫ですよ。カッコよかったですし』

『嘘つけ。お前最初俺の悪魔の姿見たとき、若干引いてたろ。覚えてんだぞ』


 確かにグラビティは俺も撃てるが、でも悪魔化知られたらダメだしなあ……。

 俺以外にグラビティを使える奴なんていたっけなあ?

 ……。


「あれ、なんかお客さん来ましたよ」

 俺が考えていると、ドンドンとドアを叩く音が聞こえてきた。

 なんだなんだ、警察とかじゃなけりゃあいいんだけど。

 俺が考えるのを一旦やめ、玄関の扉を開けると――――――


「我が来てやったぞ! ダンス好きの幽霊であり、ライト・ブランの城にも住み着いていた、レーディル様が来てやったz」


 そこまで相手が行ったところで、俺は無言で扉を閉めていた。

 しかしソイツは力を入れ返し、グググと扉を強引に開けてくる。


「まあまあ、京夜。我が来てやったんだから。……今日はちょっと、貴様らに頼みがあってだな」

「ほう。何かを頼んでいる相手に貴様呼ばわりか」

「お前らに頼みがあってだな」

「……。まあ、ギリギリセーフ。……んで、何しに来たよ?」

「フハハ、まあ貴様らの間抜けな面を拝みにだな!」

「ざけんな」


 俺はニマニマフードの後頭部を引っ叩いた。


 

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