キツネ美少女
なんか色々景品を取らされ、疲労状態の俺は。
ガルド達と、人気のない草むらで話していた。
「なあ、話ってなんなんだよ。こんな所呼び出して」
「うん、それにもちゃんとした理由があるんだ。……京夜は、祭りのある日に現れるという、キツネ美少女の噂を知ってるk」
「おい、詳しく聞かせろ」
一瞬で興味をそそられた俺は、その話に食って掛かる。
その俺の様子にガルド達は吹き出しながら。
「お前のチームにゃ可愛い女の子達が勢ぞろいじゃねえか。そりゃあ優秀な子が多いんだろ?」
「はあ?」
レイトの言葉に、俺は顔を引きつらせながらそう答えた。
アイツらが優秀? いやいや、冗談じゃないぜ。
確かに戦闘能力的な面では低くはないんだろうが、問題児が多すぎるのだ。
最近ではレインなんかは魔法を習得した事で調子に乗って、意味もなく俺を木の魔法で拘束してきたりする。
ね。こんな奴らばっかじゃあ、流石に俺も疲れるよ。
確かに、完璧な人間なんか存在しないということは分かっているが……これはあんまりだ。
俺は日々クエストやらをこなし頑張って、確実に成長しているハズだ。
だがアイツらはどうよ? 魔法のコントロールを間違えて俺に攻撃してくるし、睡眠弾が間違って俺に当たっちゃったりして、起きたら2日後の朝だったり、剣の炎が俺に燃え移って火傷を負ったり。
思い返せば、数々のトラブルがよみがえってくる。
「まあでも、6人の女の子に囲まれるってケースも珍しいよな……。……まあ、取りあえずそれは置いておいて、だな? さっきも言った通り、祭りのある日にはキツネ美少女―――――キュウビが現れると言われている。これがもうホントに可愛いらしくてな、見たら幸運になれると言われてるんだとか。キュウビは妖怪だから、見つかったら驚いて逃げちゃうことがあるらしいから、注意が必要である。……キュウビは森の中からこっそりと祭りの様子を伺っていることが多いらしいんだが……どうする? 俺たちは今からここから近くの森に行くが、お前も来るか?」
「もちろん」
アースの言葉に、俺は即答していた。




