1億ゼニー
魔王グループの幹部、セルレイドを倒した俺たちは。
翌日の朝、その功績を受付嬢さんから表彰されていた。
しかし、話の内容を聞いて、俺たちは驚愕する。
「佐々木・京夜とその一行! 貴方達には、名称不明の紫龍とモーイド・バスター数百匹の討伐、そして魔王グループの幹部・セルレイドを捕獲した功績を称え、1億ゼニーを送ります!」
『一億!?』
俺たちと周りにいた魔法使い達の声が重なった。
……え?
「すみません、もう一度言ってもらっていいですか?」
「……はい。貴方達に、1億ゼニーを送ります!」
「マジか――――――――!!」
俺はその場で踊り上がった。
え? ウソ、マジか。もう働かなくていいじゃん。
「1億ゼニーは後程、貴方達の家にお送りしますね。それで……貴方達がいると力強いので、これからも是非この村に来ていただければ嬉しいのですが……」
「喜んで!」
俺はそう返事して、受付嬢さんの手を握った。
マ、マジか。働かなくていい!
これからはずっと家に引き籠ろう。うんそうしよう。
「京夜、大金が手に入るからといって、ダラダラしてはいけないぞ?」
「ひゃっほう!」
「おい」
コハクにベシッと頭を殴られ、俺ははしゃぐのをやめた。
しかし、マジかよ。1億かよ! 働かなくていいじゃん!
「京夜さん、やりましたね! これで働かなくてすみますよ!」
「ああ! もう俺クエストなんか行かないぜ!」
俺はそう言ってライアと笑い合う。
「京夜、良かったじゃねえか! 今度奢れよな!」
「ああ! 1億ゼニーとか、すげえぜ!」
「流石だな、アンタら!」
見ると、そこには興奮した面持ちのガルド、アース、レイトが立っていた。
「おうよ! まあ俺たちももう少ししたら村を出ちまうだろうから、それまで皆で飲みにでも行こうぜ! たまにはクエストにも行ったりしてよ!」
「「「おう!!」」」
実際、アールドハンクに来てから3日程経っている。
俺たちもそんなに長くはこの村にもいられないので、あと2~3日すればこの村を出ることになるだろう。まあ、またちょくちょく遊びに来ることはあるだろうけど。
……ひゃっほう! 働かなくていいぜええええええええ!!
なんだか働かくていいみたいな雰囲気になってますが、ネタバレしちゃうと実はそんなこともありません。
続きを楽しみにしていただけると作者としても嬉しいです!




