落とし穴でぼっちゃーん
書いてる途中で寝ちゃったので、変な部分があるかもしれません。
あったら後程修正します。
「くっそ……攻撃できねえっ……!」
不可抗力だ! 攻撃することは不可能だ!
俺がスパエメちゃんソードを鞘に納めるのを見て、後ろにいた皆が。
「京夜さん! いくら可愛くても、それは悪い魔王グループの幹部です! 『アース・ブレイド』!」
「そうよ京夜! 男を見せてやんなさい! 『ダークネス・グラビティ』!!」
「な、なにいっ!?」
皆の魔法を喰らったセイレーンは、驚きの声を上げた。
「き、貴様ら! それでも人間か!?」
「……そうか! コイツは、セルレイドだ! セルレイドだ!」
「なにい!? お前までっ……!」
俺は再び鞘からスパエメちゃんソードを引き抜いた。
「コイツはセルレイド」という呪文を唱えれば怖くない。俺は可愛さに呪われていたんだ。
だが、もう俺にそんなものはない。
男として、やらなきゃいけない時があるのだ。
「くっそ……変化!」
セイレーンの姿で戦う事は諦めたのか、セルレイドの姿になってソイツは逃げていく。
「……あ」
だがしかし。
セルレイドが逃げていった先は――――――
『ぶっ!』
その場にいた全員の笑い声が重なった。
なぜならば――――――セルレイドは、俺の作った罠に見事に引っかかったからである。
「ぶっははははは!! なんだアイツ! おもしれー!!」
「ははははは! 見事にボチャンって落ちやがった!」
後ろにいた魔法使い達の笑い声が聞こえる。
それに怒ったのか、セルレイドは肩を震わせ。
「貴様ら……殺すッ!!」
「おっとさせないぜ。『ウォータースパイラル・フリーズカインド』!!」
俺は最後の体力を振り絞り、落とし穴全体を凍らせた。
落とし穴に水も入っていたので、当然その水も凍る。
「くっ……貴様らあああああああああああああああ!!」
「ふっ、その状態で言われても全然怖くないぜ」
なぜならば、セルレイドは凍った水のせいで落とし穴から抜け出せないから。
というか、最初からこれが狙いだったのである。セルレイドを水に入れた状態のまま凍らせてしまえば、動きを封じることができると思ったのだ。
しかしセルレイドは、未だ驚愕の表情で。
「貴様……いつこんな罠を仕掛けた!?」
「ん? お前が俺を探し回っていた間だけど?」
「バカな! そんな時間はなかったハズ……! お前、一体何者だ!?」
「ご想像にお任せします」
俺はニコニコ顔で手を振ると、後ろにいるコハクに向かって叫ぶ。
「おーい! お前、睡眠弾でコイツ眠らせてくれ! 聞いたことがある、討伐するよりも捕獲した方が高い報酬金額が貰えるって!」
「む、了解した!」
コハクがキリキリと、セルレイドに向かって矢を構える。
「な、なあ少し俺と話でもしないか? ホラ、金ならいくらでも俺が持ってきてやる。だから取り合えず……」
「魔王グループ幹部、セルレイドよ! 今、深い眠りに落ちるがいい! 『睡眠弾』ッ!!」
「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおお!!」
悲鳴(?)を上げながら、セルレイドは落とし穴にはまったまま眠っていった。




