ツンデレ
「おかしいと思うんだ、こんなの。こんな朝っぱらからやってらんねーよ、眠いし」
「……私たちを布団に拘束した人が何を言ってるんですか? ダメ男」
「そうですよダメ男。朝起きたら、拘束ですよ? 朝っぱらから拘束ですよ? 眠気どころじゃないです」
「おい、俺の名前は京夜だ。マミーから貰った立派な名前があるんだ。ダメ男なんて名前つけないでくれ」
「ダメ夜。もう私疲れたから、おぶって行ってくれない?」
「半分にしたらいいってもんじゃねえよ!」
俺は突っ込みながらも、深く自分を反省していた。
流石に俺がバカだった。なんであんな事しちゃったんだろう。
「まあ確かに俺が悪かったけどさ。さっきまで普通に俺と接してくれてたじゃねーか。反省してるから、もうその件は水に流してくれ」
「いや、私たちもこの事についてはあまり言わないようにしてたんですよ? ただ、京夜さんがあまりにも眠い怠いうるさいので、私たちの身にもなれと」
「そうですよ! 私にまで拘束するって一体京夜お兄ちゃんはどういう神経をしてるんですか!」
シオンが必死になって訴えてくる。
確かに、俺も13歳の娘を拘束するのには抵抗があった。
しかし、折角の機会だから、という事で拘束しちゃった。てへっ☆
いや、ね? 別にいいじゃない。俺だって男の子だし、こういう事したっていいでしょ?
そんな事を思っていると、ふとコハクが俺からフイと目を逸らしたのが分かった。
実を言うとコハクは、朝からずっとこんな感じである。
「なあ、コハク。お前もいい加減機嫌直してくれって。というか、お前は拘束してないハズだぞ?」
「……そ、そうじゃなくて……その……」
「お? なんだ? 悪いが俺は、昨夜の事はしっかりと覚えてるぞ。それともなんだ? 『昨夜のは前言撤回だ!』とでも言って、ツンデレになるのか? なっちゃうのか?」
「う、うるさいっ! ……ホラ、行くぞ!」
コハクが強引に俺の手を引き、皆の後をついて行く。
いや、ね。楽しいよね、こういうの。
まあそれはさておき。
……結局俺は、ドSなの? ドⅯなの? 何なの?




