本物インコ発見!(ライア視点)
「あー!! コハクさん、あの鳥じゃないですか!?」
「呼び捨てで呼んでもらって構わないのだが……ってホントだな、頭にハートマークがある」
私たちは、京夜さんたちとは反対方向の道を進んでいた。
しかし開始5分。そのインコはあっさりと見つかったのだ。
街にあった小さな木。
その枝の先に、インコが止まっている。
「さて、どうやって捕まえればいいのだろうか……」
「そこが問題なんですよねー……あ、あそこのお店の網で捕るっていうのはどうです?」
「お、いいな。あの網の高さだったらなんとか届きそうだ」
私が見つけたお店には、虫取り網やハンマーなどの工具が売ってある。
インコを見逃さないように、コハクさんが見張ってくれることになった。
私は店内に入り、急いで網を手に取る。
「あら、ハンターさんじゃないですか。何かお探しですか?」
店内に入ると、若い女の店員さんが愛想よく出迎えてくれた。
インコをなるべく逃がしたくはないので、早めに買い物を済ませたい。
「クエスト依頼のインコを捕まえたいんです! この網ください!」
「あらあら、それは大変ですね。急いでお会計しますから。……そういえば、インコを捕獲するならカゴはいらないんですか?」
「ああっ、忘れてた! お願いします!」
私は急いで代金を支払うと、インコの元へと向かった。
幸いまだ枝の先に止まっていたので、安心する。
「大丈夫だ。まだ止まったまま動いていない」
「良かったあ……コハクさん、後はお願いします」
「分かった」
私はコハクさんに網を渡すと、呼吸を整えた。走って往復したので結構疲れる。
コハクさんは私よりも背が高い。いいなあ、最近私はやっと160㎝超えたのに。
背丈は、京夜さんと同じくらいに見える。男の人と身長が大して変わらないなんて、すごいなあ……
「よし、捕まえた。なんて可愛らしいインコなんだ……!!」
私が私情で悩んでいると、コハクさんが私にインコを見してきた。
……本当だ、可愛い!
傷つけてあげないようにそーっとカゴの中に入れると、私は肩からそのカゴを下げた。
なんかバックみたいな形式になっているので、割と便利。
「……なんか予想以上に早く終わってしまったな。どうしようか」
「そうですねー……まだあと20分以上ありますよ」
このまま集合場所に戻っても、しばらく待っていなければならない。
どこかで時間を潰せればいいのだが。
「あ。ではさっき京夜が杖を買った雑貨屋に行ってみるのはどうだ? ここからなら雑貨屋までそう遠くないと思うんだが……」
「お、いいですね! 行きましょう!」
雑貨屋かあ。あんまり行ったことないし、いい機会かも。
私はコハクさんの後をついていきながら、ひそかにワクワクするのだった。
「うわあ……いろんな物があるんですね……」
雑貨屋にて。
私たちは雑貨屋に着くと、それぞれ見たい物を見ることにした。中には、京夜さんが買ったのとと同じ杖も置いてある。
「取りあえずアイテムを見てみようか。必要な物があるかもしれない」
そう言ってコハクさんは視線をアイテム売り場に移した。
私もアイテムを見ていると――――――――ふと、あるものが目に移った。
それは―――――――
「コハクさん見て見て! ゴリラマスク!」
「ん? う、うわあああ!! な、なにそれ……」
私が見つけた物――――――――それは、動物マスクである。
なぜアイテム売り場に動物マスクがあるのかは分からないが、面白い物を見つけてしまった。
他にもライオンやウサギ、トナカイなんかもある。
結構リアルに作られているので、私も見つけたとき驚いてしまった。
「……これでアークと京夜さん驚かせたら面白そうじゃないですか?」
「なかなかいい趣味してるじゃないか。……その作戦、乗った!」
私たちはゴリラとライオンのマスクを買ってみることにした。一個で300ゼニーなので、割と安い。
他にもスキルドリンクやエナジードリンクを購入し、私たちは店を後にした。
「いやー、結構いい買い物しましたね。二人がどんな顔するか楽しみです。特にアークは怖がりなので」
「うむ、私も楽しみだ。京夜もあまり怖いものが得意には見えないしな」
私たちはウキウキ気分で、集合場所へと向かうのだった。
ここから先は想像できますよね。(笑)
いったい京夜くんはどんな反応を示すのでしょうか。アークちゃんも。
引き続きよろしくお願いします!




