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俺、異世界で悪魔になりました! ~あくおれっ!~  作者: 紅羽ユウ
アールドハンクにレッツゴー!
227/299

美少女に囲まれている!

 龍との戦いが終わった後。

 俺たちは近くの飯屋に飲みに行っていた。


「お前さん、ホント凄かったぜ! あの魔法の使い方に、魔法使用の指示までやってくれてたもんなあ!」

「そうそう! カッコよかったぜ!」

 ちなみに俺たちは、魔法使いの男達と飲んでいる。

 こういうのは悪くない。明るい感じがして好きだ。

 実をいうと俺は、魔法使用の指示もちょくちょくしていた。と言っても、大したことはしてなかったと思うのだが。

 でも、こういう風に褒められるのは悪い気分ではない。


「はっはっは! まあ、お前さんよそから来たみたいだが、しばらくはこの村に泊ってくだろ? それまでこうやって飲みに行こうぜ!」

「おう! ……って言っても、炭酸のジュースだけどな!」

「ガハハハハハ!!」

 未成年なので、当然酒は飲めない。

 コイツらも未成年なので酒は飲めないらしいが……まあ、気分は盛り上がるしな!

 それにしてもこの世界のジュースはやけに美味い。数少ない異世界での長所でもあるよ。


「お前さん達は、中々の美人だが……この男の、どういうところが良かったんだい?」

 そう言って赤髪の男が、皆に話しかけた。


「そうですねー。うーん……。うーん……頼りになる!」

「おい待て。考えるまでの間が長すぎるだろ!?」

「ギャハハハハハ!!」

 ライアの言葉に、俺は突っ込んだ。

 もっといいところあるだろ!? 嘘でもいいからカッコいいとか言っとけや!

「レイン様、魔法は覚えたか? 木属性の魔法だぜ!」

「ええ! バッチリです!」

「前まで魔法を使えないニセ魔法神だったのに、からかうネタが無くなっちゃったね」

「ちょっとアークさん!」

「ハハハ! ニセ魔法神!」

 そう言ってレインに魔法を教えてくれた男が、朗らかに笑う。

 確かに、これから先からかえないと思うとちょっと寂しい。魔法を使えないニセ魔法神という称号がついてたのになあ。

 そんな中、アルゼルトとシオンが、俺に耳打ちしてくる。


「ねえ、コハクがどっか行っちゃったけどいいのかしら。私の勘だけど、なんか嫌な予感がするわ」

「うん、私もそんな気する」

 そう言われて、俺はハッと気が付いた。

 確かに、コハクの姿がない。……やっちまったわ。

「ちょっと俺コハク探してくる! アイツ絶対……!」

 そう言い残して俺は、席を立った。

 ヤバイ。ヤバいヤバいヤバいヤバい。

 

 ドリンクバーの所に行くと―――――案の条、そこにはコハクの姿があった。

「ストォォォォ―――――――――――――ップ!!」

 俺がそう叫んだが、もう遅かった。

 コハクはワインを注ぐと、それを一気飲み。ブドウ味のやつである。

 ……。

「どうしてお前はいつもいつも間違えるんだよ! 確かにちょっと分かりづらいが、よーく見れば分かるだろ!? ジュースと酒の見分けぐらい出来んだろ!? なあ!」

「う~ん……。おお、京夜か……」

「ちょ、早ッ!?」

 早くもコハクは酔い始めてしまった。

 ヤバイ、絶対面倒くさいことになる。なんとかしなければ。

 俺はすぐさまコハクを背負って席に戻ると、皆に説明した。


「コイツ、酒飲んじゃった! コイツ酒癖悪いから俺の誤解を招くような発言ばっかすんだよ! なんかいい案ないか!?」

「ええっ!? マジか……。あ、テープならあるぜ!」

 そう言って男が差し出してきたテープを受け取ると、すぐに俺はそれをコハクの口に貼った。

 ふう、危なかった。コイツは取りあえず寝かせておこう。

 俺がコハクを膝に乗せ、寝させてやってると、青髪の男が言った。


「そういやアンタ、名前はなんていうんだ? 俺はガルド。こっちの緑のがアースで、こっちの赤いのがレイトだ」

「俺か? 俺は、京夜。佐々木京夜だ。で、もう面倒くせえから俺がコイツら紹介しちまうと、ライア、アーク、アルゼルト、シオン。……この寝てんのは、コハクだ」

 自己紹介の役目を奪われた皆が俺の手をつねってくる。痛い、痛いっす。

 それにしても見事に赤、青、緑が揃ってるので、戦隊ヒーローっぽい。子ども達の憧れの的じゃん。


「賑やかそうで、随分楽しそうじゃねえか! いいなあ、羨ましいぜオイ!」

「いやいや、問題児ばっかだぜ? まあ、顔は美人のが多いけどなあだだだだだだだだ!!」

「問題児じゃないです!」

 手をつねる力が増し、俺は言い終わる前に悲鳴を上げた。

「はっはっは! 楽しそうだなあ。男3人の暑苦しいチームにとっちゃあ羨ましいぜ!」


 ……なるほど、俺はなんやかんやで少女に囲まれてるのか。

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