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俺、異世界で悪魔になりました! ~あくおれっ!~  作者: 紅羽ユウ
アールドハンクにレッツゴー!
222/299

落としちゃえ!

「……はあ、しゃあねえ。やれるだけの事はやってみるか」

 俺は逃げるのを諦め前に出ると、魔法杖を前に構えた。

 宙に浮いているので剣は届かない。ならば魔法だ。

「アーク、お前まだ戦えるか?」

「うう……ちょっと休ませて……」

「了解」

 フラフラの足で立つアークをおぶり安全な場所に避難させると、俺は魔法を唱える。


「『ウォーター・フリーズ』ッ! からの『サンダー・レイン』!」

 俺は生成した水に向かって電気魔法を放った。

 だがしかし、まだ終わっていない。

「『カールド・フィース』! 『プチ・サンダー』!」

 俺は創造魔法で生み出した短剣にプチ・サンダーを加えると、すぐさま龍に向かって投げた。 

 それは見事に命中し、龍の腹を貫く。


「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

「ああっ! なんか怒ったんですけどおおおおおおおおお!!」

 龍はさぞかしお怒りなのだろう。俺に向かって一気に急降下してきた。

 さっきの短剣攻撃は大して効いてないみたいである。おかしいな、プチ・サンダー加えたから相性はいいハズなのに。


「うおおおおおおおおおっ!?」

「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 俺ばっか狙ってくるので、とっても怖い。ヤバい。

「京夜! ……『妖弓龍骸弾』!」

「『ドラゴニック・バースト』!!」

 コハクとライアの必殺技が炸裂するが―――――龍はそれを器用に躱し、俺を持って空中飛行を開始する。

 おお、結構眺めがいいな。


「な、なあドラゴン。少し話をしないか?」

「グギャアアアアアアアアアッ!!」

「お前喋れないのか……。面倒くせえな」

 さっきからこの龍、俺の首を容赦なく掴んでくるので痛い。潰れる。

 俺は何とか鞘からスパエメちゃんソードを引き抜くと、龍に向かってブンブンと振り回し始めた。

 流石にウザかったのか龍は俺を放し、俺は地面へと落下する。 


「……ぬおおおおお!! 足がああああああああ!!」

 幸いそこまでの高さではなかったから良かったが、変な角度で着地してしまったせいで思いっきり足を痛めた。

 取りあえずお世話になってる回復魔法を使おう。

「『ライフ・エナジー』!」

 そう唱えると俺の足の痛みはスウッと消えていった。

 そんな俺の様子を見て、休憩していたアークが。


「なんかきょーや、見事に色んな種類の魔法使ってるね。すごいすごい」

「お前、いい加減戦えよ。ホラ、『ライフ・エナジー』」

 俺が仕方なくアークに回復魔法を唱えてやると、アークはゆっくりと立ち上がり、龍の方を見た。

「ねえ、あの龍デカくない……? 魔法効くのアレ?」

「やってみるしかないだろ。……おいレイン! お前も協力できるか?」

 俺がそう言うと、レインは自信満々に頷いた。

 アイツは一応魔法を使えるようになったみたいだし、取りあえず戦力にはなる。どうゆう風に教えてもらったかとか、宿に帰ったらゆっくり教えてもらうとしよう。


「でも、空中にいるとなればどうしようもならないな。どうすれば……」

「―――――それなら、私たちに任せて」

 コハクの言葉に、アルゼルトとシオンが前に出た。

 コイツら、一体何をする気だ。

「飛んでるなら、落としちゃえばいいのよ。……準備はいい? シオン」

「うん!」

 楽しそうに、二人は笑い合うと―――――


「「『『ダークネス・グラビティ』』!!」」


 ……や、やり方が汚い!

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