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俺、異世界で悪魔になりました! ~あくおれっ!~  作者: 紅羽ユウ
アールドハンクにレッツゴー!
210/299

ネバネバスライム

「なあああああああああああああああああああああ!?」

 よし、無理だ諦めよう。

 飛ぶなんて聞いてない。怖い。

「お前ら! 後は任せたぞ!」

「何逃げようとしてるんですか! 京夜お兄ちゃんは、創造魔法で短剣作って刺しててください! 私も魔法で協力しますから!」

 シオンが俺に言いながら、魔法を唱える。

「『ダーク・オブ・ブラスト』!」

 シオンの放った闇の魔法が、ゴキブリへと炸裂した――――――! 

 が。

「……あれ。なんか魔法が効かないんですが」

「……あ。そういえばモーイド・バスターは、硬い皮膚で直接的な攻撃を無効化すると聞きます。……多分、魔法も剣も大した効果は出ないかと……」

「よし逃げようか」

 チートじゃん。無理ゲーじゃん。

 俺はゆっくりと右足を前に出すと、走り出した。


「あばよっ!!」

「ああ!? ちょっと待ってくださ……ひゃあああああああああああああ!!」

 ……何だろう、今の悲鳴は。

 ちょっと気になったので、俺が足を止め振り返ると。


「粘液がああああ!! ひゃっ、ああああああ!!」

「ネバネバする! 何コレ!?」


 何アレエロい。

 俺は踵を返し皆の元に戻ると、その様子をニマニマと鑑賞する。

「ちょっと京夜さん、見てないで助けてください! レーディルさんみたいになってますよ!?」

「俺とアイツは違う。アイツは表面的な変態だが、俺は裏面的な変態だ。他人に迷惑をかけていない」

「きょーや、早く! 『ウォーター・リフレイン』!」

「ッ……! ああもう、分かったよ……」

 俺はよっこらせと立ち上がり、傍にあった粘液を確認した。

 それを手につけてみると。


「……なんかコレ、粘液っていうよりはスライムみたいだな。理科の実験で使えそう」

「いいから、早く助けて!」

「さあ、理科の授業の時間だよ! 1時限目は京夜先生です! さあ、皆席に着いて?」

「先生! ネバネバしてるので席に着けません!」

「そうかそうか。……ならば廊下に立ってなさい!」

「理不尽ッ!?」

 ノリのいいアークをニマニマと鑑賞しながら、俺はどうすればいいか考え始めた。

 助けると言っても、こんなにもネバネバだとどうしようもない。浄化でもできればいいんだが……。

 ……あ、浄化か。その手があったわ。

「『ブルー・ラガード』!」

 俺は魔法ガイドブックに書いてあった初級の浄化魔法を唱えた。

 予想通りスライムは水へと浄化され、皆の身体が自由になる。

 するとレインが泣きながら俺に抱き着いてきた。


「うわあああああああああああ!! 京夜さああああああん!」

「うおっ、お前ネバネバしてた体で抱き着くな! 浄化されたと分かってても気持ち悪いんだよ! ……ってああ、お前らまでどうしたよ!?」

「あ、アイツはキモすぎる……。女の子をスライム粘液でネバネバにするなんて……」

「……」

 ゴキブリにスライムを発射されて身体を粘液まみれにされた、か。うん、確かにキモイね。 


「仕方ないわね。ここは私が殺るわ」

 そう言って、アルゼルトが前に出た。

 その姿は、とても勇ましい。勇ましいんだが……。

「……お前、その格好どうにかならんか」

「うるさいわね、着替える時間が無かったのよ。アールドハンクに着いたら着替えるわ」

 アルゼルトの着ている私服は、ヒラヒラとしているスカートの、なんかいかにも女の子っぽい格好である。なので、微塵みじんも恐怖は感じられない。

 だがしかし、アルゼルトは余裕の表情で。


「私を誰だと思ってるの? 魔王グループの元幹部、アルゼルト様よ? モーイド・バスター! 死になさいっ、『ダークネス・オブ・ブレイド』ッ!!」


 アルゼルトの放った魔法が、辺り一面の木々を吹き飛ばした――――――!

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