きょーやはちょろい
「京夜さーん、大丈夫ですか? すいません、やり過ぎちゃいました……」
バタバタと、皆が慌ただしくやって来た。
それに続き、ズシンズシンと音を立てながら、ガイアドラゴンもやってくる。
「いやあ、あれはちょっとしたミスで」
「『ウォーター・フリーズ』」
レインが言い終わる前に、俺は氷水魔法を唱えた。
それと同時にレインが「ひゃああ!」と悲鳴を上げ、その場に崩れ落ちる。
そんなレインを眺めていると、ガイアドラゴンが嬉々とした表情で。
「おお、ボルシャック! 久しぶりだな!!」
「おお! ガイアドラゴン!」
二匹は嬉しそうに笑い合った。
まあ、何はともあれ良かった良かった。
「うん、ホント良かったなあ」
「良くないですよ! 最後まで話聞いてください!」
俺が二匹の様子にうんうんと頷いていると、レインが泣きながら俺に訴えてきた。
「なんだ。爆弾を俺にかましたニセ魔法神」
「おい待て京夜。一応、あれにはワケがあったんだ」
そう言いながら、コハクが俺に歩み寄って来た。
ふむ、聞かせてもらうとしよう。
「ほう。ではそのワケとやらを説明してもらおうか」
「うう……。私は、爆弾で京夜さんに連絡を取ろうと思ったんです。そしたら、予想外に火薬を多く詰すぎてしまって……」
なるほど、花火みたいなので連絡を取ろうとしたのか。
……まあ、悪気はなかったみたいだし許してやるか。
「『ライフ・エナジー』」
「……フッ」
俺が回復魔法を唱えると、後ろにいたライアが小さく鼻で笑ったのが分かった。
……?
俺が疑問に思ってると、シオンがこそこそとレインに耳打ちしているのが聞こえてくる。
「京夜お兄ちゃん、ちょろいですね。あんな嘘でだまされるとは」
「ええ。私も驚きましたよ。あれ、90%以上は嫌がらせでやったつもりだったんですけど」
「きょーや、バカだね」
……アーク、お前にだけはバカと言われたくない。
……。
「『ウォーターデッド・フリーズ』」
「「「「「「あああああああああああああああああああああああああああああ!!??」」」」」」
……コイツら、何なの?




