爆弾
。
「うおおおおおおおおおおお!?」
突っ込んでくる炎玉から俺は必死に逃げながら、森を下っていく。
森が狭いので、避けようにも避けれない。
「おいボルシャック! 目エ覚ませええええええ!」
「……む?」
俺がそう叫ぶと、炎玉の動きはピタッと止み。
ゆっくりと、姿を現していった。
「おお、やっと来たか。待ちくたびれて寝てしまった」
「……お前、寝相悪すぎだろ。……んで、皆は?」
俺が呆れながらキョロキョロと辺りを見回すも、アイツらは見つかりそうにない。
ガイアドラゴンはデカいので、すぐに分かると思うんだが……。
「我は知らんぞ。ガイアドラゴンはもう来てるのか?」
「ああ、そうなんだけど……。仕方ねえ、敵察知!」
俺は取りあえずお世話になっている能力スキルを使った。
敵じゃなくても分かるのかなーなんて思っていたが……始めてから10秒ほどで見つかった。
1キロぐらい先にデカい反応がある。見てみるとやっぱりガイアドラゴンらしきドラゴンがいるので、間違いないだろう。
だがしかし。
「……ちょっと待て。アイツら何やってんの? なんかレインが爆弾を……。お、おい待て」
よく分からないが、レインが爆弾らしき物を持っているのが分かる。
そしてそれに爆薬を付けたかと思うと……。
――――――大空に向けて、その爆弾を放った。
「……。なあ、ボルシャック。なんか奇妙な音が聞こえるんだけど」
「……あのヒュルルーって音の事か? うむ、我も聞こえるな」
「……」
嫌な予感がした俺は、足早にその場を去ろうとした。
――――――だがしかし。
「お、おい。上を見てみろ」
「……ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
爆弾が、俺たちに向かって一直線に落ちて来ていた。
そしてそれは見事に墜落。当然、俺たちは爆発に巻き込まれた。
「……」
―――――本当に、一瞬の出来事だったんです。
まさか、いきなり爆弾が落ちて来て死にかけるとは思いませんでした。
俺は薄れる意識で何とか身体を動かし、ボルシャックの方を見る。
流石のドラゴンでもアレはきついだろうなあなんて思っていたが―――――
「フハハハハハ! 中々の一撃だったではないか! この我を驚かせるとは!」
ピンピンしていた。
……ああもう、ニートに戻りたい。




