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俺、異世界で悪魔になりました! ~あくおれっ!~  作者: 紅羽ユウ
転生したら、悪魔になってました。
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インコ発見! なかまにしますか?

「おかえりー、きょーや……って、どうしたのその杖」

 飯屋に戻ると、アークが興味深そうにこちらを見てきた。

 俺は魔法杖を見せながら、アークたちに説明する。

「いやあ、さっきそこの雑貨屋で売っててさ。せっかくだから魔法も使えるようになろうと思って」

「でも、魔法は覚えるのが難しいぞ? 大丈夫なのか、京夜?」

 コハクが杖を見ながら俺に説明する。

 ふっふっふ、甘いな。そこらへんに関しても俺はしっかり考えているのだよ。

 俺は杖に付いてきた魔法ガイドブックを手に取りながら。

「大丈夫だ。これ読めば多少の知識は頭に入ってくるハズだから。ふふふ……これでクエストこなしまくるぜえ……」

「せいぜいポンコツ魔法使いにならないように頑張ってくださいね」

 夢見る俺に、ライアが素早く水を指してくる。

 なんかたまにきつい事言うよねこの人。俺一応年上なんですが。たぶんだけど。

 まあ、少なくとも水を出すとかちょっとした炎を出すとかの魔法は使えるようになるだろう。


「それよりも。クエストはどこへ行くんだ?」

「ああ、それならもう決まってるよ!」

 アークがクエスト依頼書を俺に見せてきた。

 落ち着いてその内容を確認してみると……

「なになに……『3日前にいなくなってしまった私のペットのインコちゃんを探してください。場所はおそらく街中にまだ居ると思います。羽が黄色くて、頭にハートのマークがあります。報酬金額は十万ゼニーです』……?」

 ……インコ探すだけで十万円も貰えるのかよ。

 そんだけ価値のあるインコなのだろうか。

「ああ、なんかそのクエストだけまだ達成したハンターがいなくてな。京夜もそのクエストでいいよな?」

 コハクが丁寧に説明してくるが、よりにもよってペット探しですか。

 まあ、楽そうだからいいけど。

 っていうか、街中にいるんなら自分で探しに行ってもいいと思うんだが。


 ……ああ、この街って結構広いんだった。小さいインコを見つけるには確かにキツイな。


「じゃあ取りあえず、テキトーに捜してみるか」

 俺は重い腰を上げ、立ち上がった。


                ■


「やっぱりここは2グループに分かれるべきではないでしょうか」

 街のど真ん中で、ライアが探偵っぽくつぶやいた。

 あー、なんか飯食ったせいで眠い。話の内容が頭に入ってこねえ。

「ああ、私もその方が効率的に思う。どのグループにしようか」

「もう適当でいいよ! 早く捜しに行こう!

 アークが早く行きたそうに喚いてるところで、俺は目覚めた。

 ヤベえ俺、今完全に寝てたわ。 

 なぜグループがどうの言っているのかは分からんが、取りあえず俺は話を聞き取ろうと目を開ける。

「もー、京夜さん起きてます? 目が死んでますよ?」

 しかし、また寝そうになっていたところを、ライアに起こされる。

 えーと……? 俺は……アークと探すのかな?

 なんかそんな事話していた気がする。多分。

「じゃあ30分ぐらいしたらここに集合しよう。私とライアはあっちを探すから、京夜とアークは街の出口に近い方を探してみてくれ」

「ふああーい……」

 俺は気だるそうに答える。

 日差しがめっちゃ気持ちいい。今すぐにでも昼寝したい気分だ。

「アーク……どこ捜せって言われたっけ? 聞いてなかった……」

「……街の出口の辺りだよ? おじいちゃん」

「やめてくれ。今の状況だと冗談に聞こえないから」

 さすがにこの歳で老人にはなりたくない。俺はパンッと自分の頬を叩きやる気を出すと、取りあえず街にある木を中心に捜してみることにした。

 鳥類であるのなら、木の枝なんかに止まっている可能性が高い。

 ざっと街を見回してみたところ、やたらデカい木がたくさん生えている。

「おいアーク、順番に探してみようぜ。もしかしたら木の枝に止まって羽を休めている可能性がある」

「はーい!」

 アークは近くにあった木を探そうとした。

 が、しかし。

「きょ~や~、これじゃ木に止まってるかどうか見えない! どうしよう」

 ああ、めんどくせえ。

 近くで木を見てみるとやはりデカく、木の枝の様子が見えない。

 アークは当然のこと、俺でも木の様子は見えそうになかった。

「ってかなんでこんなデケェの生えてんだよ……この街は森かなんかか?」

「うん、この辺りは自然がたくさんあるってことで有名らしいよ。観光客もいっぱい来るんだって」

 なるほどなあ……確かにこれじゃあ木の枝も見えそうにない。

 さて、どうしたものか。

 俺が頭を悩ませていると、ふと一つの考えが浮かんだ。

 あの大木の大きさは、俺とアーク2人分くらいの大きさがあれば見えそうになっている。ならば……


「よいしょ……っと」

「うわあ、きょーや!? なにしてるの!?」

 そう、肩車である。

 腕力にあまり自信はなかったが、どうやら身体能力だけでなく力までも上がっているらしい。俺はアークを、軽々と持ち上げることができた。

 まあアーク自身、身長もそんな高くないし重くもないんだけど。

「うわああああ!! 下ろして! 下ろしてえええええええ!!!!」

「うおおっ!? ちょ、落ち着け! 揺れるから!」

 アークがジタバタと暴れるせいで、俺の体も揺れる。

 ぐええっ、痛い! 痛いっす! アークの足が俺の首を! 

「ぐえっ……」

「ああっ!? きょーや、大丈夫!? 分かった、暴れないからあ!」

 その叫びと共にアークのジタバタは止まった。

 先ほどから街の人たちがジロジロと見てくるが、もう慣れてしまった。すげえ俺、精神的にも強くなってる!

「もうちょっとそっち……あ、そこそこ!」

 アークが俺に指示を出してくる。

 なんか、懐かしい感じだ。幼稚園ときくらいの時に、よく親にやってもらってたっけなあ。

 まさか16歳になって、肩車をする側になるとは。

 いや、いっそアークに俺を持ち上げてもらおうか? 

 ……いや、ダメだな。まずアークじゃ俺を持ち上げられないだろうし、何よりその光景はシュールすぎると思う。


「どうだ? 見つかったか?」

「うーん……あ! この子かなあ?」


 アークが俺に見せてきたのは、真っ白い綺麗なインコ。

 ……綺麗だが、どう考えても依頼されたインコじゃないことは、俺にも分かった。



 

出すのが遅くなった分、長くしてみました。一日の内に3作ぐらい出すこともあれば、1作しか出せないようなこともあります。

僕の目標は読みやすい小説を書くことなので、気休め程度に見ていただければと思います! 引き続きよろしくお願いします!<(_ _)>

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