表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で悪魔になりました! ~あくおれっ!~  作者: 紅羽ユウ
借金地獄……え? 何コレ?
198/299

悪魔のお別れ

 突如、俺の視界は闇に染まる。


「……なあ。お前を呼んだ覚えはないんだけど?」 

 俺はイラつきながら、暗闇に向かって叫んだ。

 すると、暗闇の中からスウッと青白い光が現れる。


『そりゃあそうであろう。私がお前の元に直接やって来たのだから』


「……俺今、天使と戦ってたんだけど? もう今すぐ殺されちゃうかもしれないぞ?」


『大丈夫だ、今は時を止めてある。それにアイツは天使ではないぞ? 騎士の形をした人間だ。死んだ人間の魂が騎士に宿っているというものだな』


「そうかそうか。じゃあなんで俺の元に来たの?」 


『なに、ちょっとした別れの挨拶ついでに忠告しに来ただけだ。私も、そろそろ地獄に行く時が来たようでね』


「へー。そうですか、へえ……」

 俺は適当にあしらいながら、ぐーっと身体を伸ばす。

 悪魔だから地獄に戻るのは当然だと思うんだが。むしろ今まで戻ってなかったのが不思議である。


『人間。お前は今の能力を使って、あの聖騎士を殺そうとしただろう?』


「そうだけど?」


『……ハッキリ言うが、お前の心の一部が、悪魔の心になり始めてしまっている。何のためらいもなくお前は、あの聖騎士を殺そうとしただろう? 普通人間なら、少しは殺すのをためらうハズだ』


「だって天使は、敵だろ? だったら殺さねえと」


『何故敵だと思い込む? ならば、モンスターだって『人間』の敵ではないか? 何故天使に、そこまで殺意を抱く?』


「……」


『分からないだろう? そういう事なのだ。お前の心は、悪魔になり始めている。……だから、私は地獄に帰ることにしたのだ』


「……ひょっとして、俺の心がお前に乗っ取られ始めてるってこと?」


『そういう事だ。まあ安心しろ。私がお前の身体から消えれば、心そのものは人間になる。……まあ、身体は悪魔のままだがな』


「……そうか」

 そう言って、俺はふう、と息を吐いた。

 思えばそうだったかもしれない。何故俺は、天使のみに殺意を抱いてたんだろう。


『まあ、完全に心が直るとは限らないけどな』


「おい。今なんつった?」


『いやいや、何でもない。……まあ、私が言いたいのは無意味に生物を殺めるなということだ。罰が当たるぞ?』


「随分温厚な考え方だな。……まあ、そんな事しないから安心しろよ」



『ほう。……まあ、お前ともこれでお別れだ。せいぜいこの世界を楽しむがいい』



「……。ま、頑張るよ。じゃあな」



『ああ』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ