炎メラメラ
「ああああああああああああ!? 寒ッ!? ちょ、待てああああああああああああ!?」
大パニックの俺は、火山内を走り回った。
当然、炎の精霊となれば熱い場所に生息するので、クエスト場所は火山。熱い。
「あああああ! 『インフェルノ・スラッシュ』!」
「ちょ、待て! お前ここでその技はないだろ!」
必殺技を炎の精霊にかましていくライアに俺は叫んだ。
ザ・炎。そしてとても熱い。
「きゃああああああああああああああああ!? 炎がっ!? あああああああ!?」
「ちょ、お前こっち来んな! ってあああああああああああああああああ!!」
こちらに走って来たライアの炎が燃え移り、俺の体は炎に包まれた。
やだ、なにコレ熱いわ。死んじゃう。
「アーク……頼む……」
「あああきょーや!? 『ウォーター・ヒール』!」
再びアークの生み出してくれた水をかぶりながら俺はハアハアと息を荒げた。
こういう時はアークが頼りになる。回復魔法を使ってもやっぱり炎は消せないので、水魔法が必要になってくるのだ。
俺は決心すると、3人に叫ぶ。
「おいお前ら! これは捕獲どころじゃねえ! 死ぬ! 一端逃げるぞ!」
「「「ひゃああああああああああああああ!!!」」」
いつの間にか炎に包まれた3人が、俺に突進して来た。
俺は0.2秒で背を向け、走り出す。
「だからこっち来んなって! お前らはそうまでして俺の死期を早めたいのか!?」
「ああああ!! 京夜さん後ろ! 後ろ!」
「あ!? ……って」
……。
そこには2メートル程の大きさがある炎に包まれた熊が、俺の前に立ちはだかっていた。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
当然、俺は全力疾走。
死ぬ。これは冗談抜きで死ぬ。
「ちょっときょーや! まず私たちをどうにかして熱いいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「うるせえ、お前は自分の水魔法使えばいいだろうが! ……って熱いからこっち来んな! ってお前まで来んじゃねえええええ!!」
3人と一匹が、俺を追いかけてきた。
このまま燃え尽きる光景こそ、地獄絵図というのだろう。




