表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/299

2億? 無理でーす

「ああああ!? ……『グラン・ヒール』!!」

「ああっ!? くそっ、ならまた引き裂いて……」

「『グラン・ヒール』!」

「くそっ!」

 引き裂いたハンターカードをアークが必死になって修復してきたので、俺は慌てて再び引き裂いた。

 しかしまたもアークに修復される。


 ――――――そんなやりとりを続ける事、数分。


「くっ……やるじゃねえか……」

「そ、そちらこそ……」

 互いに息を荒くしながら、俺たちはベッドの上に倒れ込んだ。

 ……つ、疲れた。

 そんな俺たちを見て、コハクが呆れながら。

「全く、京夜は一体どういう神経をしているのだ? ハンターカードを破くなど、常識知らずも甚だしいぞ」

「いやそんな事言われてもさ。……やだよ? 俺。借金返済なんか協力しないもん」

「無理だ。強制参加だ」

「嫌だ」

「ダメだ」

 コハクの気迫に押され、俺は深くため息をついた。

 何で生き返って早々、借金返済協力のお知らせを告げられなくてはならないのか。意味分からん。

 

「きょーやのせいで魔力ポイント使い果しちゃったんだけど。あと体力も。ねえ、どうしてくれるのかな?」

「何のことですか――――?」

「…………」

「ああああやめろ! なんの沙汰もなく噛みつき攻撃かましてくるんじゃねえ!」

 俺の手に噛みついてきたアークを引きはがしながら、俺は割と真剣な表情で皆に言った。


「はあ……。分かったよ。んで、具体的には、その借金的なアレの金額はどのくらいなんだ?」

 まあ、簡単に返せそうな値段なら、協力してやらんこともない。

 前に貰った報酬とかもまだ一応は残ってるし、ちょっとずつ稼いでいけば何とかなるだろう。

 しかし皆から出た答えは、予想外のものだった。


「「「「「「2億」」」」」」

「諦めよう」


 俺はベッドの毛布にくるまった。


              

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ