メイド戦争
「無理だ。うん、やめよう」
モンスターに追いかけられる中。
俺は早くも勝つのを諦めていた。
「うおおっ!? ちょ、待て! 早まるな!」
いくら神と天使3人と渡り合ったとはいえ、流石にこの数だと避けるのも難しい。
俺は空中飛行しながらラグナロクの元へ駆け寄ると、すぐさま担いで逃げ出した。
俺は天使は嫌いだが、聖獣は嫌いじゃない。ゲームの中でも可愛いのとかカッコいいのとかあったし、むしろ好きなぐらいだ。
「ふっ――――――ってちょああああああああああああああああああああ!?」
俺の背中辺りに電撃が走る。
……死ね、ゼルドギア。
まあ俺は大人だから、このくらいの事じゃ怒らない。落ち着こうね、俺?
■
森を抜けだすと、俺はすぐさまラグナロクを、近くにあったゴミ箱に入れた。
このまま担ぎながら警察に突き出すのも疲れるし、ゴミ収集所で燃やされればいいなと思ったからである。
「ぬおおっ!?」
飛んできた炎のブレスを俺は咄嗟にかわすと、すぐさま距離を取った。
うーん、炎なら当たってもあんまりダメージはないんだが、電気ブレスとなると困るんだよなあ。属性的に、当たっても痛いし。
どうやら魔法だけでなく、属性は戦闘にも依存するらしい。まあ大体そうだと思ってたけど。
しかし困った。コイツら逃げても逃げても追いかけてくる。いやあ、実にウザいね。
……さて、どうしようか。
俺が頭を悩ませていた――――――その時だった。
「あー! いた! きょーやー!!」
「……!?」
聞き覚えのある声がしたので、俺は咄嗟に自分の顔面を殴り、悪魔化を解除する。
「? どうしたの?」
「い……いや……。何でもねぇ……」
……あ、危ねえ!? ヤバかった!
いやマジで今度からこの能力なるべく使わないようにしよう。こういう事あったらマジで怖いわ。
「京夜、大丈夫か? 随分辛そうだが」
「……ああ、色んな意味でな」
俺がそう言うと、メイド服のバカ仲間、ハンターの数々が集まって来た。
いい加減俺も恥ずかしくなってくるので着替えてほしい。俺がまた変態扱いされたらどうするつもりだ。まあ、どうもしねえだろうけど。
「ふん、随分とまた派手じゃない。……『グラビティ・エンド』!」
アルゼルトがそう言うと、モンスター達の頭上から魔法陣が現れ、闇に包まれていった。
……はあ、メイド姿じゃなかったらもう少しカッコよかったのになあ。
最新遅れて申し訳ありません。色々あったのです。
引き続き、よろです。




