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聖騎士ラグナロク

「さて。では午前中、我らは休憩時間だ。ゆっくり休むがいい」

「よっしゃ……休みだ……」

 色々あって疲れたしなあ。ここはゆっくり部屋で休ませてもらうとしよう。

 ……しかし。

 俺が立ち上がり、自分の部屋へと向かおうとした—―――その時だった。


「ラグナロクだ! 聖騎士ラグナロクが現れたぞ! 早く逃げろ!」


 そんな声が、城の外から聞こえてきた。


              ■


 聖騎士ラグナロク。

 どうやらそのモンスターは天界からの使者らしい。なんでも、他の聖達を引き連れていつも行動しているんだとか。

 しかしラグナロクが地上に降りてくるなんてことは、今までなかったそうだ。神話の中だけの話で、伝説だとも思われていたらしい。

 背には翼が生え、身体は黄金の鎧で包まれている。その姿は美しいという言葉がぴったりと当てはまる様だった。

 しかしそんなモンスターがなんで今、しかもイデア聖街へと降りてきたのか。

 そんな疑問を抱えながら―――――俺たちは今。

 イデア聖街の道を、全速力で駆け出していた。


「お前ら、その格好どうにかならなかったのか!? いくら時間が無かったとはいえ、装備を着る時間ぐらいはあっただろ!?」

「焦って何もできなかったんですよ! ……ってうわああああああああ!! なんかこっち来てますよ!」

 メイド服姿で道を疾走する仲間達を俺は憐憫の眼で見ながら、ピピを肩に乗せ走るスピードを上げる。

 メイド服に武器という意味の分からない仲間達に俺は頭を痛くしながらも、後ろを振り返った。


「ねえ!? なんでこっち来てんの!?」

「……あ、ひょっとして京夜お兄ちゃんのドⅯ体質のせいで追いかけられてるんじゃないんですか? よし、逃げましょう」

「あっ! おい待てテメエら! 俺を見捨てるなあああああああああああ!!」

 俺から離れていくメイド仲間達に俺は叫ぶ。

 くっ、何という焦燥感。今すぐにでもアイツらの後頭部を引っ叩いてやりたい。

 しかしどんどんラグナロクとの距離が縮んでいくので、俺は慌てて魔法を唱えた。

「『サンダー・レイン』!」

 しかしむなしく、ラグナロクには全く効いていない様だった。

 周囲を見回してみるも。助けてくれそうなハンターはいない。どうやら勝てないという事を判断したのか、どのハンターも逃げてしまったようだ。

 くっそ、全員覚えてろよ。

 ……こうなったら、仕方がない。


「おらああああああああああああ! ラグナロク! こっち来いやああああああああああああ!!」


 俺はふと思いついた作戦・・・・・・・・・を実行すべく、人気ひとけのない森へと駆け出していった――――――!

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