キレ気味レーディルさん
「おーい、レイン。起きろ。おい」
俺がレインを揺さぶるも、起きる気配がないので、俺は仕方なく魔法を唱える。
「『プチ・サンダー』」
「あああああああああああ!?」
よし、目覚めた。
この魔法は非常に使い勝手がいい。電力もそこまで強くないし、人に触れてもピリピリする程度で済む。
「な、何ですか!? ここは私の部屋ですよ!? こんな真夜中に、女の子を襲いに来たっていうんですか!? 頭おかしいんですか!?」
「おい待て、落ち着け。というかまず一人一部屋とかいう贅沢させてもらっていることに感謝しろ。……俺は今、お前の力を必要としている」
「嫌です。寝ます」
「ダメです。起きます」
俺は即答で毛布をかぶろうとするレインをベッドから引きずり出すと、ズルズルと部屋の外まで引っ張っていく。
「待ってください! 何なんですかコレ! あああ寒いッ! 寒いですううううううううう!!」
「うるさい。そして我慢しろ。俺だって寒いんだ」
眠い目を擦りながら、俺はレインを無理やり立たせると、レーディルの部屋へと向かった。
慎重に扉を開け、パチンと電気を付ける。
するとレーディルは気が付いたのか、俺たちに何やってんの? と言わんばかりの、怒りに満ちた視線をこちらに向けてきた。
その表情はニマニマしたものではなく、本気でキレたものとなっている。
「……貴様ら。いくらなんでもこんな時間に起こされたら我もキレるぞ。なんなら今すぐにでも貴様らの前で踊り狂ってやろうか?」
「遠慮しときます。それよりレーディル、頼むよ。お前の力が必要なんだ」
必死に「お前しかできないんだ! 頼むから俺と一緒に世界を救ってくれ!」みたいな感じのを俺は訴えた。
フードを深く被りながら、レーディルはほう、と興味深そうに頷く。
「ゾンビたちに、成仏させてくれと頼まれちゃったんだ。当然俺は成仏させてやる能力なんて持ってないし、お前しかゾンビたちは救えないんだ!」
「おやすみ」
「ああ! 待ってくれ!」
俺は眠ろうとしたレーディルを揺さぶり起こすと、再び説明し始める。
ちっ、ゾンビを救うじゃダメだったか。
「頼むよ、レーディル。なんなら、CDプレーヤーでもCDでも買ってやるから」
「よし乗った」
ふ、ちょろい。
てかCDなんて異世界にもあるのだろうか。
一日1万文字とか史上最高かもしれません。(笑)
引き続きよろしくお願いします!




