新しいなかまが加わった!
「え……えーと、それはどういうことなんでしょうか」
俺は自然と、コハクに訊ねていた。
「うむ、そのままの意味だ! 私が過去に一度も倒せなかったゼルドギアを倒すとはっ……ぜひこのチームで勉強させてほしい!」
そう言ってコハクは深々と頭を下げた。
なんだろう。後ろの二人の視線が怖いよ。
「え……っと、入らない方がいいと思いますよ? なにせ僕らはまだ初心者ハンターなので……」
「いや、そんなの関係ない!! 私だってまだまだ初心者だしな」
「ええっ!?」
たぶん俺の予想だと、コハクは昨日ゼルドギアを倒した騒ぎを聞きつけ、このチームに入りたがっているんだろう。街では結構な騒ぎになっていたし、まあ仕方ないといえば仕方ない。
めちゃくちゃ入りたそうにしてるし、ここで断るのもちょっとかわいそうだ。
男として、レディーのハートは大切に……ね?
「よーし、分かった! 二人とも、仲間が増えたぞ! 仲良くしてやってくれよな」
「ええー!?」
明らかに不機嫌そうにしているのが分かる。
せっかく新しい仲間増えたんだから、もう少し愛想よくしてやれよ。
「オイオイコハク、お前ここのチームに入るのか? 俺たちの仕事はどうなるんだよ」
見ると、避難したと思われていた住人たちが集まっていた。
その中の一番偉そうな男が、コハクへと話しかけている。
「ああ、そっちの方の仕事はもうやめる。確か活動内容は『冒険者やハンターの手助けをする』だったよな? なら、私はこのチームに入り、この人たちの手伝いをする」
「はあ!? ふざけんな、お前が居なきゃ俺たちはっ……」
「……おいお前ら。逃げようぜ」
俺がめんどくさそうな臭いがしたので提案を出すと、三人全員がコクリと頷いてくれた。
「アディオスッ!!!」
「ああ待て!? お前らああああああ!!!!!」
俺たちはそのまま全力疾走開始。
遠くからはさっきの男の叫び声が聞こえるが、無視。
……やっぱ走ってばっかだなー、俺。
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「はあ……ここまで来れば追ってこないだろ……」
俺たちは5分ほど走り続け、だいぶ遠いところへと来ていた。
もうそろそろで街を抜けてしまいそうだ。
「あ! 京夜さん! あっちにクエスト受付窓口があります! 良かった、これで来た道戻る必要ないですね!」
ライアが指さした先を見ると、確かにそこには窓口があった。
……それにしても結構広いんだな、この街。
クエスト受付窓口が二つあるとか、都合良すぎんだろ。
「お、本当だな。でも、行く前に少し休憩しようぜ。疲れた……」
「あ、そういえばもうお昼だよ? なんか食べにいこーよ!」
近くにあった時計台を見てみると、もう12時を過ぎていた。
確かに何か食べに行ってもいい時間帯である。
「うっし、じゃあ飯食ってからなんかしらクエストこなしに行くか。コハクもそれでいいよな?」
「ああ、私は別に構わないが」
「よーし、じゃあ行くか!」
俺たちは近くの飯屋を探して、歩き出した。
なんかやけに時間が経つの早かったな。まあ宿を出るのがちょっと遅かったていうのもあると思うけど。
……まあ、こんな感じで。
俺たちのチームに、新しい仲間が増えました。
新しい女の子登場しましたね。コハクちゃんです。
出来るだけ毎日投稿していきたいと思いますので、よろしくお願いします!