表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/299

レインが居ない。

「……あれ? アイツらじゃねーか?」

 俺たちが道を、ブラブラと歩いていると。

 遠目だが、アルゼルトとシオンの姿が見えた気がした。

 ……どうしよう、放っておこうかな。面倒くさい。


「……げ」

 うわっ……こっちに気付きやがった。

 クソ……また問題児を増やさなくてはならないのか。正直言って気が引ける。

 俺がぼーっとアイツらを眺めていると……


 アルゼルトはシオンを背負い――――――なんとこちらに向かって、猛突進して来た・・・・・・・


「え? ちょ待」

「京夜! 危ない!」

「へ……ってあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


 ぶっ飛ばされました。

 あ、呼吸できない。死ぬわコレ。

「うっ……。おえっ……おえええええっ……」

 俺は人通りも多い街のアスファルトの上、アレを吐き出した。

 咄嗟に人の少ない場所に移動したが……もうダメだ。終わった。

 いきなり空から人が飛んできて、いきなりゲロをぶちまけた映像を想像してみろ。どうだ? 変質者だろう?

 案の条、数は少ないが周囲の人達の目が、可哀想な物を見るような目へと変貌している。

 だが俺はお構いなしに、アルゼルトへと速攻文句を言いに行った。

「お前さあ! ちょっとは考えろよ! 痛いよ!? 死ぬよ!? 死にかけたよ!? なあ!」

「京夜。悪いんだけど、今はそれどころじゃないの。よく聞いて」

「……は?」

 アルゼルトの目が急に真剣なものになり、俺は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

 な、何だというのだいきなり。突拍子もない話始めやがって。

 俺は若干戸惑いながらも、なるべく真剣に見つめ返す。


「京夜。……レインが、居なくなった」

「……だろうな。大体分かってたよ」

 なんだ、と思いながら、俺はガクリと肩を落とした。

 既に2人しか居なかったし、そのくらいの事は俺にでも分かる。いや、別に嬉しいことではないんだけどね。

 しかし、俺の安堵の表情にアルゼルトは首を振り。


「……違うわ。……正確には―――――消えて行っちゃったの・・・・・・・・・・

「「「「は?」」」」


 アルゼルトとシオン以外の声が重なり、俺たちはポカンと口を開けてしまった。

 ……どういうことだろうか。

「おい、説明しろ。どういうことだ」

「京夜お兄ちゃん……レインさんは、天界に、連れ去られちゃったの」

「……」

 …………。

 ……天界、か。

 状況は把握できた。大方、天界に戻り神様にでも報告してるんだろう。

 しかし連れ去られたというのは理解できない。なんだってそんな事をされたんだろうか。

「……連れ去られたって、誰にだよ」

「—————私も詳しくは知らないけど、あの人達は恐らく……天使の3人組ね。神話で聞いたことあるわ。名前はアマテラス、ラファエ」


「バカ天使3人組ィ―――――――――――――――!!!! 出て来おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいぃぃぃぃ!!」


 アルゼルトが言い終わる前に、俺は大空へと叫んでいた。

 アイツら、許さん。殺すわ。

 今の叫びで一層周りの人達の視線は増えてきているが、気にせず俺は叫びまくる。

「京夜、流石に聞こえるワケがないだろう。ここは一度対策を……」


『……その声は、佐々木・京夜か?』


 コハクがそう言いかけた瞬間、空から聞き覚えのある声が響いてきた。

 この声は……ラファエルか。ちょっと腹立つくらいイケボだからよーく覚えている。

「お前、レイン返せよゴミが。さっさとしろ」

『……天使を冒涜するのも大概にしろ。『サイコジェネシス』』

 

 その声が聞こえてきた瞬間、俺はとてつもない頭痛に襲われた。


 

 

 


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ