表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/299

居ない3人

 俺は洞窟から出ると、セギアから教えてもらった事を、改めて振り返っていた。

「天使……ねえ」

 セギアにとっては、人間そのものの心が天使なんだとか。

 それはあくまでたとえだろうが、なんか元気をもらった気がする。ネズミに助けられるとはなあ。

 なんかどっかの昔話みたいな流れだが、それもまあ悪くない。

「んで、これどうすりゃいいんだ? 幸運を呼ぶらしいが……」

 俺はセギアに貰った勾玉を見ながら呟いた。

 なんだろうね、コレ。なんも説明されずに渡されちゃったけど、それは知らなくていいということなんだろうか。

 キラキラしてるし、これこそゲームのアイテムみたいな感じがする。


「……ま、今知る必要もねーか」


 俺はポケットに勾玉を突っ込みながら、アイツらを探しに行った。


                  ■


「……おい、何があったんだよ」

 気が生い茂る森の中。

 俺はうつ伏せに倒れるライア、アーク、コハクを発見した。

「きょーや! 遅いよ! ああ……体力が……魔力ポイントが……」

「……」

 ……魔力ポイント? ああ、魔法に使うポイントみたいなやつか。

 そういえば俺のハンターカードにもそんなの記された欄があったな。俺はちょっとしか溜まってなかったと思うけど。

 ……んで、コイツらには何があった。

「京夜さんが居ない間に、モンスターの襲撃があったんですよ! ラングレトラが襲ってきたんです!」

「……ラングレトラ?」

「空中飛行する、鳥型のモンスターだ」

 首を傾げる俺に、コハクが親切に説明してきた。

 ふーん。いいじゃないかいいじゃないか。コイツらの苦しむ姿を拝むのは俺にとっての快感でもある。

 ごめんなさい。クズすぎました。嘘です。

 でもトリケラもどきよりはまだマシだっただろう。数にもよるけど。

「ああもう……疲れた……」

 そう呟くアークに、俺はそっと魔法を唱えてあげた。

「『ライフ・エナジー』」

「お? お、おおおおおおお!!」

 俺がそう唱えた瞬間、アークの体に無数の光が現れた。回復魔法である。

 まあ流石にこのままっていうのも可哀想だからな。ぐだぐだ言われるのも面倒だし。

「京夜さん! 私も!」

「京夜、頼む!」

「はあ……。『ライフ・エナジー』」

 俺は二人まとめて魔法を使うと、ポケットからスキルドリンクを取り出し、グビグビと飲み始めた。

 最近俺のポケットが4✕元ポケットへと化している。前に色んなもの入れ過ぎて、ポケットが破れたぐらいだ。

 物の入れ過ぎには、気を付けよう。

 俺がそんなことを考えていると、コハクが。

「ふう……助かったぞ京夜。それより見てくれよこの討伐数! 私たち頑張ったんだぞ!」

「おお、ホントだ。報酬貰えんじゃね?」

 俺は周りに横たわっているモンスターを見ながら、そう言った。

 クエスト受信していなくても、討伐依頼書がもし出ていたら報酬が貰えるんだとか。後で途中通る街のクエスト受付窓口にでも持って行ってみよう。

 これだけ討伐していれば、そこそこの量の報酬がさぞかし貰えるだろう。


 ……しかし、今はそれよりも。


「3人共。残りの3人はどうした?」

「「「……あっ」」」


 はい出ました迷子の子ネコちゃん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ