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ロリコン疑惑を追い払え! 無理です、気力-50!

「……さて。クエストも復活してきたことだし。金稼ぎでも行くか」

「「「ふあーい……」」」

 俺は3人の気怠そうな返事を聞きながら、クエスト受付窓口へ向かっていた。

 朝だし、眠い。どうしようもない。

「もう私家帰って寝てもいいですか?」

「いいけど、じゃあ昼飯抜きな」

「……はあ」

 俺だって行きたくない。眠いもん。

 しかしこれは、生活のため。ハンターである限り、働かなければならない。

 そう思うと、俺の目からは涙がにじみ出て来ていた。負けるな、俺。

「簡単なのにすっかー。……なんだコレ。『女神アマテラス様が最近お怒りの様で、村の天気が悪くなっています。どうか、この村を助けて』……」

 そこまで言って俺は、読み上げるのをやめた。

 完全に原因が俺たちにある。こんなクエスト受けてたまるか。

「まあまあ、取りあえず続きを見てみようじゃないか。……『どうかこの村を助けてください。なお、クエストは女神アマテラス様の魂が宿るという墓にお参りしていただければ結構です。』……え? ……報酬は……200万ゼニーだと!?」

「「「ええっ!?」」」

 コハクのその声に、思わず俺たちは大声を上げてしまった。

 な……200万……だと……。

 ふむ、なるほどなるほど。

「よし、このクエスト請けるか」

「そんな簡単に決めていいの!? 面倒くさい予感しかしないよ!?」

「いいだろ、別に。それに報酬貰えば、しばらくダラダラ過ごせる。最高じゃねえか」

 俺の言葉にアークは、苦い表情で頷いた。

 確かに面倒くさい予感しかしない、しないが、200万という大金が貰える。そりゃあもう行くしかねえだろ。

 でもアマテラスとは会話したくない。お祈りしたらさっさと帰ろう。

 俺がそんな事を思いながらクエスト依頼書を手に取ると、周りに居たハンター達が騒めいたのが分かった。

 うん、これ絶対難しいクエストだわ。そんな気しかしない。


「おい……アイツ高難度クエスト剥がしやがったぞ!」

「え!? マジかよ!? ……まあアイツは、噂では聞いてるが……」

「でも、悪い噂だってあるんだぜ。『ロリ少女と手をつなぎ街を変態の笑みで疾走する、変態剣士キョウヤだってな」

「ごはっ!」

 俺はぶっと吹き出すと、そいつらに掴みかかろうとした。しかし、あっけなくコハクに止められる。

 どんだけ俺をロリコン扱いすれば気が済むんだ。さては嫉妬か、そうかそうか。

 悪いが、このチームにはいいことがない。外見だけは可愛い美少女とイチャイチャできるかと思うが、地獄だよ、ホント。

 大して役にも立ってねえくせに傷つくことだけは言ってくるアホが一人、魔法の力加減の概念が存在しないバカが一人、酒を飲むと何やらかすか分からないマヌケが一人!

 ……どうよ? 入りたいか、なあ?


「……もういいよ。早く行こうぜ、もう……」


 俺は涙目になりながら、受付嬢の人にクエスト依頼書を持って行った。

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