ピンチ! どうする京夜!?
「いや、うん。俺だってゴロゴロしたい。クエストなんか行きたくねーよ? ……たださ、この金の請求書見て働かないワケにはいかねーだろ!」
「うわあああああ! 私働きたくないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
暖かさの増してきた部屋の中。
俺たちは、送られて来た金の請求書について話し合っていた。
……。
「えーと、取りあえず読んでみるが……『ササキ・キョウヤとその一行は、私たちの食堂を台無しにした。よって、資金の寄付を申し出ます』……だそうだ」
「「「……」」」
コハクがスラスラと読み上げていく中、俺たちは椅子に座って黙り込んでいた。
「……もう一つあるぞ。えー……『ササキ・キョウヤ。貴様は、聖生ガイアドラゴン様に傷を与えた。……話によれば、貴様はロリコンの変態で、住民にも悪影響を及ぼしているらしいな。まだ幼い子どもの手を引き、変態の笑みを見せながら街を疾走したとの情報も入っている。貴様の様なゴミに存在価値はない。今すぐ牢屋に自首しに来い! ……さもないと殺す』」
「おい! ちょっと待て! その言い分はあんまりだろ! 俺はロリコンじゃねええええええ!!」
俺はテーブルの上で、泣きながら大絶叫していた。
酷い。あんまりだ。なんで次から次へと問題が……。
「警察の方々からは置いておいて。……金ってのは、どのくらいの金額だ?」
「えーと……300万ゼニーだそうだ」
「……」
てかなぜに。どっから俺たちの住所を知った。
……マズイな。このままだと、家に直接来られる危険がある。
できればそれは避けたい。てか面倒くさい。
俺があーでもないこーでもないと悩んでいると、バンと勢いよく家のドアが開かれた。
「どうしたの? 騒がしいわね。ホラ、差し入れ持って来たわよ」
「……お前クエスト依頼書破いてねえだろうな」
「破いてない」
「ならよろしい」
俺はアルゼルトが持って来たパンをかじると、力なくテーブルに突っ伏した。
……なんてこった。せっかく家が完成したっていうのに、いきなりこの仕打ちは酷すぎる。
家の周りにバリケードでも設置しようかな。そしたら入ってこれないだろ。
「む、これは私宛だな。『コハクよ、今すぐ俺たちのチームに戻って来い。そして、ササキ・キョウヤとかいうクズも連れて来い。ボッコボコにして、牢屋に入れてやる』……京夜は一体、なにをやらかしたんだ?」
「……ああ、居たな、そんな奴も」
うわあ……すっげえめんどくせえことになってんじゃん……。
街での俺の噂は、どんどん広がっていってるらしい。最悪だ。もうヤダ。
「逃げる? どうする?」
「いや、別に私たちは悪くないですし。もういっそ京夜さんが牢屋入れられれば」
「頼む! なあ、仲間だろ!? 見捨てないでくれよ!」
俺は泣きながらみんなに助けを求めた。
悪気はなかった。うん、これはちょっとした事故だ。
でも今回の件は俺のせいでもある。何とかしないと。
「でもまあ、このまま放っておいてもどうせこの家に来るだろうしね。……京夜、どうするのよ?」
「そりゃあ、この家に入らせないようにするしかねえだろ」
「「「「えっ!?」」」」
……何が何でも入れさせない。
(´・ω・)(´・ω・)(´・ω・)((*´ω`*))




