表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/299

家、完成

「出来た……出来たあああああああああああああああああああ!!!!!」

 日が落ち始めている、森の中。

 俺は最後の釘を打つと、バカでかい雄叫びを上げていた。

「へえ。中々形にはなったじゃない。これなら安心して住めそうね」

「いやあ、そうだなあ……。頑張ってれば完成するもんなんだなあ……」

 俺はしみじみと呟きながら、再び完成した家を見た。

 俺の隣では、アルゼルトが目を輝かせている。

 頑張った甲斐があるってもんだな。そこそこ広さもあるし、4人住めないこともないだろう。

 ……いや、5人か。アルゼルトもしばらくここに居るって言ってたし。

 でもまあ、今となってはそんな事も気にならない。取りあえず、完成した事を祝おう。

 製作期間は、約3ヵ月程。毎日クエストにも行かず働いていたのが功を奏したのか、割と早く完成することができた。

「中に入ってみましょうよ! どんな感じか見たいです!」

「私も見る!」

 やはり二人も完成したことが嬉しいのか、家の中へ駆け出していってしまった。

 まあ、やっと完成したワケだ。これで毎日毎日宿に行くこともない。ひゃっほおおおおおおおお!!

「やっと完成したな……。色々と大変だったが……」

 俺の後ろで、苦痛の表情を見せながらも清々く、コハクがやって来た。

 コイツは、ひょっとしたら俺以上に頑張ってくれていたかもしれない。家の主な形造りはコハクにやってもらってたし、コイツをもっと褒めてやるべきなのかもしれん。

「お前、よく頑張ったよ。今日だけは褒めてやる」

「なっ……それじゃあ私が普段はちゃんとしてないみたいじゃないかっ……。一体、どこがダメだっていうんだ!?」

「え? そりゃあ……。……まあ、ここで話すのもアレだし中に入ろうぜ」

「おい! なんだ今の間は!?」

 コハクが焦りながら俺を追いかけてきたが、構わず俺は先に進む。

 コハク、知らない方がいいってこともあるのだよ。

「おお……なんかいい感じに洋風になったな……」

 俺は部屋全体を見回しながら、呟いた。

 ちなみに、家具などは作ったのもあるし、買った物もある。買った家具を運ぶのは筋肉男ティールに手伝ってもらった。

 アイツの筋力は計り知れん。俺よりも力があるんじゃないだろうか。

 俺はアイツほどムキムキはしていない。なんだろう、やっぱ悪魔の潜在能力的なアレだろうか。


「うわお……テレビが見れますよ! ホラ!」

「おお、ホントだな。やっぱコンセント繋いどいて良かったな……」

 やっぱり生活面的な事では前世と大して変わっていない。ただ、建物の造りがちょっと違うってだけで。

 設計図などは俺が書いたんだが、見事に前世と異世界の建物が混ざり合ったような、不思議な設計図ができてしまった。

 もちろんのごとくそれは却下され、コハクに修正してもらった。そもそも俺には画力が無い。

 まあそんなコハクの頑張りのおかげで、外見も良くなった。最初からコハクに書いてもらえば良かったわ。

「ふっ……こんなに早く完成できたのは、やっぱり私のおかげよね! 感謝しなさい?」

「ああ、どうもどうも。まあモンスターだしなあ……」

 いつの間に俺の背後に立っていたアルゼルトが、自慢げに言ってきた。

 コイツも途中から手伝いを始めたとはいえ、いい働きをしてくれた。何より飛べてるから、足の筋力の負担がないのだ。

 まあ、その間俺はシオンに構ってやるので忙しかったんだがな。当然、お母さんが居ないとなれば、シオンは暇になる。

「ピピ、完成したぜ。どうよ、この出来?」

「スゴイ! スゴイ!」

「だろ? いやあ、ホント頑張ったよなあ……」

 俺は近くにあったソファーに座りながら、ピピに話しかけた。

 コイツも俺のよきお供となって働いてくれた。ありがとおおおお!!

 まあ、みんな頑張ったと思う。こうして完成したワケだしな。

 

「よし、じゃあ今日はみんなで飲むか!」

「「「「おおおお―――――――――――――!!!!」」」」


 完成! おめでとう、京夜!

 

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ