表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で悪魔になりました! ~あくおれっ!~  作者: 紅羽ユウ
転生したら、悪魔になってました。
11/299

いちにちがおわった! セーブしますか?

「…………なんだココ」


 なんかそこは、言ってしまえばボロイ旅館みたいな所だった。

 屋根の部分なんか所々剥がれてきていて、地震でも起こったらどうするのかと不安になる。

 ちゃんと営業しているのだろうか。

「なあ、ホントにここに泊まるのか? 他の場所探さないか?」

「むむっ。何を言うんだきょーや! ここ以外もう泊まれる場所なんてないぞ」

 えー、マジか。

 確かに野宿よりはマシかもしれないが、これはこれでいろいろと心配だ。

 かと言ってぼーっと立ち尽くしているわけにもいかない。俺はとりあえず玄関の扉を開けてみた。

 中は人の気配がなく、明かりがついていない。


「すみませーん! 誰かいますかー!」


 俺は声を張り上げて叫んでみる。

 すると向かいの扉から一人の年配の女将さんっぽい人が出て来て、こちらの方へ歩いて来てくれた。

「あらまあ、ハンターの方たちですか? これはこれはどうも……って、ケガをしてらっしゃるじゃないですか! 急いで手当てを……」

 急いで戻りに行く女将さんを引き止めて、俺は訊ねた。

「あの、まだ空いてる部屋ってありますか? ここに泊まりたいんですが……」

 俺が訪ねると、女将さんは複雑な表情を見せた。

「空いていることには空いているのですが、部屋が一部屋しかないんですよねえ。それでもよろしいというのなら、部屋は用意できますが……」

 え、マジかよ。

 全然人が居ないと思ったら、既に泊まってる人たちが居たとは。

 だが他に選択肢はないので、俺は「一部屋でいいのでお願いします」と答える。

「承知しました。それでは、部屋はこちらの方になります。どうぞごゆっくりしていてください。後で救急箱を持っていきますので」

 俺たちが案内されたのは、先ほど女将さんが居た部屋だった。

 意外と部屋の中は綺麗だったので、結構テンション上がる。

「うおお、結構きれいな部屋だな、なあ二人とm……」


 そこまで言いかけて、俺は喋るのをやめた。

 先ほど女将さんが用意していてくれたと思われる布団に、思いっきり二人はダイブをかましていたのだ。

「わーお、布団ふわふわ! きょーやもやってみなよ!」

「気持ちいいですよ、京夜さん!」


 子どもか、コイツらは。

 しかしその姿を見てると結構気持ちよさそうだったので、俺もやってみることにした。

 俺は装備を脱ぎ捨て、豪快に布団に飛び込んでいく。

「うおっ、本当だ! 結構気持ちいいな!」

 ふかふかの毛布が俺の疲れを癒していく。

 あー、マジで今日は疲れたなあ……転生して、悪魔になって、二匹もモンスターを討伐して…………

 昨日までニートだった俺にとっては、考えられないことばかりである。


「あらあら、みなさん今日は疲れていらっしゃるのですね。どうぞごゆっくり」

 見ると、救急箱を持った先ほどの女将さんが、俺たちの部屋に来ていた。

 先ほどダイブした光景を見られていたと思うと、結構恥ずかしい。


 俺は女将さんに救急テープを貼ってもらいながら、疑問だったことを訊いてみることにした。

「あの、この街って、宿泊施設があまりないんですか? 最近この街に来たばかりで、よく分からなくて……」

 さりげない嘘をつきながら、俺は訪ねる。

 すると女将さんは困ったような表情を見せ、俺に説明してくれた。

「それがですねえ。最近この街にモンスターの襲撃があったんです。なんでも魔物モンスターという種族の仕業だそうで」

「え…………」

 俺は話を聞いて、驚愕した。 

 この街にモンスターの襲撃があるだって? それって結構ヤバいやつじゃん。

 もしかするとライアが言っていた「ボス」というのも関与しているのだろうか。

 俺はテープを巻いてくれた女将さんにお礼を言うと、再び訊いてみる。

「それって大丈夫だったんですか? 死人が出たりとか……」

「ええ、幸い死人は出なかったようですが、多くの怪我人が出ました。街のハンターたち全員が立ち向かったようですが、やられてしまったようで……」


 オイオイオイ。

 マジか、マジかよ。

 この街結構ヤバいやつじゃん。そのうち死人も出るぞ。

 しかしそんな俺の気持ちとは裏腹に、アークが自信満々に答える。

「だいじょーぶですよ、女将さん! 私たちがそんなやつら、倒しちゃいますから!」

「あらあら、それは頼もしいことです。ハンターのお仕事の方も、頑張ってくださいね。それでは、今日は私はこれで失礼させていただきます」

 俺は女将さんに再び礼を言うと、アークに訊ねた。

「なあ、決めといて言うのもなんだが、やっぱり魔物討伐ってハードル高すぎないか? もっと別のモンスターを…………」

「何言ってるのきょーや! こういったモンスターたちに立ち向かうことが成長の一歩へと繋がるんだよ! ね、ライア!」

「うん、きっと私たちならできますよ。京夜さんもいるんですから!」

「……………………」

 頼りにされているのは大変喜ばしいことなんだが、もう少し計画的にも考えてほしい。

 俺がそんなことを考えていると、ふと放送みたいなものがかかっていることに気が付いた。

 まずスピーカーがついていたことに驚きだが、落ち着いてその放送の内容を聞き取ってみる。


『銭湯の閉鎖時間が、残り時間五分となっております! なお、時間の延長はできないため、まだ入っていないという方は大急ぎでお入りください!』


 …………えっ。

 マジですか。もう閉鎖しちゃうんですか。

 俺たちは慌てて立ち上がり、風呂場へと向かうのだった。


 


 

 

読んでいただきありがとうございます!  

さて、今回のお話は、ボロイ旅館に泊まるということで書いてみました。

魔物モンスターたちの襲撃に、京夜くんたちはどう対処していくんでしょうか。

まだ考え中です。 感想や評価などあったらしてくれると嬉しいです!

それでは、引き続きよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ