バイバイシオンちゃん!……アルゼルトも。
「きょーや! 起きて!」
目が覚めると、そこは硬いアスファルトの上だった。
アークの目覚まし声を聞き、俺はゆっくりと体を起こす。
「……なんでアスファルト?」
「なんでって、もう村に着いたのよ。地面に落下してもアナタ起きないもんだから、人目につかない所まで運んであげたのよ。感謝しなさい?」
「いや、どっちにしろ飛んでたんだから隠れなきゃダメだろ」
取りあえず俺は辺りを見回し、ここがどこら辺なのかを確認した。
「まず……ここどこ?」
「さあ、どこなんだろうね。私アルゼ村には詳しくないし、よく分かんないのよ。まあ、後はアナタたちで頑張って」
「……分かった」
そこはどうやら、建物の陰だったらしい。幸い人の通りが少ないし、これなら不審に思われる事もないな。
そっかそっかあ、アルゼルトはこの村について詳しくないのかあ。迷子じゃん俺たち。
しかしここまで運んでくれたことに変わりはないので、取りあえず俺はお礼を言っておく。
「ありがとな、アルゼルト。助かったぜ」
「全く……。次会う時は覚悟しておきなさいよ? いつまでもこうなるとは思わないことね!」
そんなツンデレっぽい言葉を吐きながら、アルゼルトはふわふわと空中に浮いた。
それに続くかの様に、シオンが翼を生やしてパタパタと浮かんでいく。
やっぱり魔力とやらの違いだろうか。アルゼルトは翼を生やしていなくても飛べているな。凄い凄い。
「じゃあね、お兄ちゃんたち! また会いましょう!」
「おう! 元気でな!」
俺がそう言うと、シオンは可愛らしく笑顔を見せて、空へと上がっていく。
アルゼルトも遅れないように、しっかりとシオンの手を握ると、やがて消えて行った。
「……ふう。なんか今日は疲れたな。お前ら、ここから先の道分かるよな?」
「「「知らない」」」
俺たちの冒険はまだまだ終わりそうにない。
次から新章入ります。短いですが許してください。
「家造り大作戦!」とか章タイトル書いておきながらほとんど家のことについて書けていないので、次の章で書こうと思います。
引き続きよろしくです!




