表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/299

空の心地よさ

「……はあ。んで? 私がこの子たちをどうにかすればいいワケ?」

「うん! お母さんならなんとかできるかなーって」 

 俺たちは最後の力を振り絞って、お母さん―――――アルゼルトの元へやって来ていた。

 ハッキリ言ってもうこれ以上は歩けない。足が機能しない。

「すまん、アルゼルト。悪いんだがもう足が動かない」

「全く、アナタ私に助けられるのこれで2回目よね……。感謝しなさい。私の摩の力で村まで飛ばせてあげるわ」

「は? どういうことだ……」


 そこまで言って、俺は黙った。

 ふわりと俺の体は宙に浮き、どんどんと上昇していく。

 え? え?


「ちょっとなんですかいコレ。まさかこのまま飛んでいく気?」

「ええ、そうだけれども。それっ!」

 そう言うとアルゼルトは、俺以外の3人を宙に浮かせた。

 スゲエ、さすがはモンスター。人間とは全く持っている能力が違う。

「よーし、じゃあ急ごう京夜お兄ちゃん! 早く行かないと!」

 バサッという音がしたかと思うと、シオンの声が上から聞こえていることに俺は気が付いた。

 ……ほほう、中々いい翼だな。てか俺の翼みたいに禍々しさがない。

 まずシオンの翼と俺の翼じゃ、色が違うもん。俺のは暗黒のいかにも摩の翼って感じだったが、シオンにはそれがない。

 まあそんなもんだよな。可愛い娘には可愛い翼が似合ってるもんな。

 ちょっとだけ虚しさを覚えながら、俺は急に込み上げてきた気持ち悪さに顔をしかめた。

「うっ……これ大丈夫なんですかね。体が持たない気が……」

「……これは試練だ、耐えるしかない」

「よーし、がんばろー!」

 不安思考1人、ポジティブ思考1人、バカ1人。

 職業的にはバランスがいいと思っていたが、こういった面ではやはりバラバラだ。もう何言ったって直るワケじゃないんだろうけど。

 うえっ……それにしても吐き気が……。

 もうホント勘弁してくれ。俺はこの世界に来てから何度吐きそうになったことか。

「ア、アルゼルト……。もう出発してくれないか。この状態だと非常に……」

「……はいはい。分かったわよ。————————それじゃあ、出発!」

 アルゼルトがそう言うと、俺たちの体は平行になり、一気にスピードマックスで動き始めた。

 どんどん体は速度を増していき、雲がぐんぐんと通り過ぎて行く。

 ……あ、もうコレダメなヤツだ。

 空気の流れの心地よさと同時に、俺は意識を失っていった。

 

明日は0時に出してみます。短いですが、ご了承ください(´・ω・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ