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足が限界ヤバいです

「はあっ……はあっ……」

 俺たちは何とか先ほど行った食堂まで駆け込むと、急いでシオンをトイレに行かせた。

 ……最悪である。

 幸い、逃げ足だけは俺たちの方が早かったから良かったが、今度見つかったら本気でヤバい。シオンを助けた共犯者として捕まるかもしれん。

 そして、周りにハンターの姿はない。恐らく、全員森の中で残りの魔物モンスター1匹を探しているんだろう。

 ああ……。

「……はあ……なんでこんな事に……」

「まあ落ち着け京夜。私たちもあの子を襲うワケにはいかないしな。……だが、急いだ方がいいんじゃないのか? そろそろ追いつかれるぞ、近づいて来てる」

「えっ!? マジで!? おいシオン! 急げ!」

 俺が声を張り上げて叫ぶと、大急ぎでシオンはトイレから出てきた。

 このままこの食堂に隠れるっていうのはダメなのかな。いや、それじゃあ店主さんに迷惑がかかる。


 俺たちは急いで食堂から飛び出すと、森に向かって全速力で走り出した。

「でもきょーや、どうするの? このまま逃げても無駄じゃない?」

「そうですよ。もういっそ戦っちゃえばいいんじゃないですか?」

「アホか! 俺たちで勝てると思うか!? ……いや、勝算は0じゃないか……。でも、交戦は避けた方がいい!」

 ライアの意見にちょっといいかもと思いつつも、俺は逃走続行の返事をする。

 なんやかんやで俺たちは……弱くはない。いや、そこそこ強い。多分。

 だが今回戦うワケにはいかない。もし負けてシオンが襲われたら大変だし。

「うう……疲れました……」

「おい急げ! 逃げないと!」

「無理です……足挫くじきました」

「……」

 俺はしぶしぶシオンを背中に乗せると、走り出した。

 異世界に来てからおんぶするのは何回目になるのだろう。アークは最近必要なくなってきたが、今度はシオンのおんぶを担当することになるのだろうか。

 流石にそれは勘弁してほしい。いくら女の子をおんぶできているとはいえ、疲れるのだ。

 強化された力があっても、人一人おぶさって歩くのはキツイんだよ。


「コハク、もうそろそろいいんじゃないか? 疲れたんだが……」

「うむ、もう大分離れたしいいだろう。それにしても困ったな……。このまま逃げていても体力がなくなっていくだけだしな……」

 そればかりは本当にどうしようもない問題だった。

 このまま距離が特定できない場所まで移動するのも難しいし、その上級者の敵察知スキルを持つハンターが、どの距離まで情報を察知できるのかも分からない。困ったもんだ。

「あ。ごめんピピ、お前のこと完全に忘れてたわ」

 俺の背中の中で潰れているピピを取り出すと、ピピは力なく鳴き声を出した。

 うーん、やっぱりコイツクエスト行く間はどっかに預けた方がいいのかもしれない。走ることが多いからどうしても潰しちゃうし。

「わあ……可愛いですね……」

 俺がピピの頭を撫でていると、シオンが目を輝かせて言ってきた。

 撫でたそうにしていたのでピピを渡してあげると、シオンは嬉しそうにピピを抱きかかえる。

「さて。マジでどうする? このまま逃げ続けるか?」

「いや、もう私ホントに足が限界なんだけど……」

 力なく呻きながら、アークは足をぐーっと伸ばした。

 うん、俺だって痛いよ。でも我慢してるんだ。

 そろそろ俺に何らかのご褒美イベントが起きてもいいと思うんだが。ゲームがこの世界で販売されるとか。もし起きたら俺はソッコー買いに行く。

 もしくはアニメのDVD。二次オタでもあった俺にとって、アニメは必須だ。

 ……おっといけない。今考えるべきことはそれじゃなかった。

「でもそれ以外いい案があるワケでもないしなあ……」

「あ、じゃあ私お母さん呼びますよ? お母さんなら何とかしてくれるかもです!」


 おおう、アルゼルトさんですか。

 

 

 

さっき誤操作でログアウトしちゃって、あせりました。ヤバかったです。

パスワード書いてる紙を探すのに30分ほどかかりました。いやあ、時間の無駄ですね。

気を付けます。そして、今後ともよろしくお願いいたします!

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