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誰だああああああああ!?

「……これといった大きな反応はないな……もっと遠くにいるのかな」

「えー、でもきょーやが感じ取れないんだったら大分遠くにいることになるよね? もう私疲れたんだけど……」

 俺たちは黙々と森を歩きながら、周囲の魔物モンスターの反応を待っていた。

 かれこれ30分ぐらい歩き続けているのだが、一向に魔物モンスターが現れる気配はない。


「ライア、他のハンター達からの連絡は?」

「まだ見つかってないそうですよ。クエスト依頼書にも未達成の文字が書いてありますし」

 そう言ってライアはこの魔物モンスター討伐の依頼書を見せてきた。

 確かにそこには、「未達成」の記入がある。

 俺は嫌になって来た思いを何とか振り払うと、痛む足を再び動かし始めた。そろそろマジで限界かも。

 うん、あと5分歩いたら休憩しよう。死ぬ。

「てかなんでこんなに見つからないんだよ。他にも敵察知スキルを持ってるハンターはいるんだろ?」

「……まあ、確かにいるんだが。このクエストに参加しているハンターは初心者がほとんどなんだ。さっき京夜が言っていたすごい敵察知スキルを持ってるハンターというのは、上級者のハンターだろう」

「はあ? 俺が聞いた話では、高レベルのハンター達が集まるってことだったけど?」

「……多分、それは罠だろう。高レベルのハンターが中々集まらなかったから、嘘をついたんじゃないのか? よく分からないが」

「……」

 コハクの返答に、俺はガクリと肩を落とし、沈黙した。

 だとするならば、俺たち以外に相当強いハンターが居るってことだ。初心者ハンターが魔物モンスター討伐をそう簡単にできるとは思えないしなあ。

 1匹しか俺たちはまだ討伐してないが……その高レベルのハンター達は一体どれだけの大金を手にしたんだろうか。

 てかなんでこんな高レベルそうなクエストに初心者が参加するんだろう。無謀もいいところだ。

 俺たちが言えるセリフでもないが。

 俺が色々分からないことがあると察したのか、ライアは。

「ここ最近、クエストの依頼も少なくてハンター達はお金稼ぎがしたかったんだと思いますよ。1匹30万ゼニーってことは、結構な報酬になりますからね」

「……へえ、バカなんだな。ハンターってのは」

「いやいや、こうでもしないといけない時だってあるんですよ? ハンターの仕事は、それほど過酷なものですから」

 ふうん。大変、ねえ。

 レベルの昇進が早かった俺たちは金にはあまり困った事が無いが、初心者のハンター達は色々と苦労しているんだろう。なんか可哀想だ。

 ひょっとしたら俺は運には恵まれている方なのかもしれない。チームメンバーには結構な不満を覚えているが、なんやかんやで生活できてるし。


「いや、でもさ。ホント最近気になってたんだけど、なんでクエストの依頼が少ないんだ? そろそろ冬も終わるし、いい加減クエストが多くなってもいいと思うんだが」

「さあ、それは私たちにも分からないな。モンスターの被害が少ないのか何なのか」

 そう言ってコハクは、やれやれといった表情でため息をついた。

 モンスターの被害か。なんだろ。畑荒らしでもされんのかな。


「痛ってて……なあ、お前らそろそろ休まないか――――――――――」

 限界状態になった足を押さえながら、休憩の意見を俺が訴えると。

 3人が立ったまま、その場で固まっているのが分かった。

 ……?

「……え?」

 3人の視線の先を見てみると。


「久しぶり京夜お兄ちゃんたち! こんにちはです!」


 ……!?

 

 

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