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敵察知スキル習得! 

「さあきょーや、まずはここの周りを10周!」

「もうその手には乗らんぞ。……てか早くしてくれ。他のハンター達も待ってるかもしれないんだから」

 食堂の近くの森にて。

 俺は即答で拒否しながら、早くするようアークに言っていた。

 するとアークはちょっと残念そうな顔をしながらも、説明を始めてくる。

「えっと、じゃあまず私のお手本を見ててね。……そこに、ベビーコドラがいる!」

「は?」

 アークはいきなりそう言いだすと、草むらの辺りを指さした。

 それと同時に草むらがガサガサという音を立て、小さいトカゲのような生物が現れる。ベビーコドラとはアイツのことだろうか。

 ……って、スゲエ。なんで分かったんだ。

「どう? できそう?」

「『できそう?』じゃねえ。ちょっと待て。お前モンスターがいる場所分かったよな? じゃあ魔物モンスターの位置も分かるんじゃないのか?」

「いや、私が分かるのは小さいモンスターだけだから。でも、レベルが上がれば覚えられるんじゃない?」

「ふーん……そうか……じゃあ取りあえずやってみるか」

 俺は取りあえずやってみることにした。こういうのはまずやってみるのが一番である。

 ……いや、初っ端からいきなりやるっていうのも無理があるな。

「なあアーク。なんかコツとかないのか? いきなり言われても分かんねえんだが」

「ええ? うーん……じゃあ、『自分はここに居る』って強く意識するといいかも。そうすると、他のモンスターの情報がきょーやにも伝わってくるハズだから」

「そうなのか? ……まあやってみるわ」

 俺は言われるがままに、強く『自分』を意識し始めた。

 俺はここに居る……居る……居るわッ! 居るわよおおおおおおおおおお!!


 ついついノリで強く念じすぎてしまったが……おおっ、スゲエ! なんか頭痛がするけど確かにどこにどのモンスターがいるか分かるわ!

「約1キロ先に……なんかやけに禍々(まがまが)しい反応があるな……。3キロ先には……あ、ヘビーファイアドラゴンかな? 熱いイメージが伝わってくる」

「ちょっと! なんでそんなに分かるの!? 私より凄いじゃん! ねえちょっとおお!!」

 アークが泣きながら俺に言ってくるが、こっちはお前に構ってやる気分じゃないのだ。

 スゲエ、スゲエ……なにコレすげえわ……。

 俺が興奮して色々なモンスターの情報を取得していると、ふとやけにデカい反応があることに気が付いた。

 なんだ……? モンスターだよな……?

「……いやいや、ちょっと待て。8ートル……7メートル……!?」

「ねえちょっと! どうしたのきょーや!? 怖いからやめてよ!!」

「6……5……!?」

 その反応はどんどんと強まっていき、ついにはソイツの反応しか特定できないようになってしまった。

 ちょっと待て。なんでこんな近くにいるのに気付けないんだ。

「4……3……!」

 俺が冷や汗を流しながら、辺りを見回していると――――――――


 ふと、森の暗闇に映る、二つの眼と目が合った。


 薄暗くてよく見えないが……モンスターであることは確かだ。

 アークは俺の服の裾を握りながら、ガタガタと震えている。

 俺はアークの前に立つと、取りあえずそのモンスターに話しかけることにした。


「あの……? ちょっといいですかn」

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

「「ぴゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」」

 

 突如上がった雄叫びを聞くと、すぐさま俺たちは全速力で逃げ出した。

 




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