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序章 復讐を誓う少年

「 世界に抗う紅き華 」


序章


 これは、この世の何処かにあるかもしれない。

遠い、(ほか)とは少し異なった(ことわり)に存在する物語(世界)―――――。


 この世界には昔からこんな言い伝えがある。

「愛する人死す時、力に醒める」

簡素で短い言葉だが稀にこの現象は起こる。

少年がそうであったように。


◇◆◇◆◇◆◇


 少年は吹雪の舞う中咲いた、一輪の紅い花の上に立ち尽くしていた。

少年の足元では、その花を今もなお雪に血を吸わせて大きく咲かそう腹部から血をドバドバと出し続ける冷えた少女の遺体が横たわっている。

少年は時を忘れ、考える事を忘れ、虚無感に襲われていた。

そこへ少年のではない声が響く。


「貴様はこれからどう生きる?

貴様は何を望む?

理に従うか?

それとも抗うか?

平坦な道を進むか?

それとも棘の道を進むか?」


「お、俺は!この世界が許せない!」


「ならばこれを受け取るがいい。

そして精一杯世界に抗え!」


少年は瞳に決意を宿し、赤い月の浮かぶ空を見上げて復讐を誓った。

本と少女のことが大好きだった穏やかで、優しい少年とはその時をもって別れを告げた。

そして、少年は一度も振り返らずその場を後にする。

少年の背では少女が咲かせた真紅の花が闇と紅い月に支配された世界で抗うように輝いて見えた。


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