03 あったかい家族
※実際の歴史とは異なる点が多く、あくまでフィクションですのでご注意を!!
それでも読んでやろうという方ぜひ読んでやってください。
日が少し傾き始めたころ、
坂本家の庭には3つの陰があった。
「ハァハァ乙女ねーさん。ありがとうございます。
竹刀を振るのってこんなに大変なことだったのですね~。」
「でも、結ちゃん。そんなこと言うけど
ちょっとしかしてないのに、馬にも乗れるようになったし、
竹刀も振れるようになったじゃない。
これってすごいことよ!!2人とも才能あるわ~。
もう少しだけ見てあ・・・・・・・・。
やばい!夕食作らなきゃ!!」
「私たちも、手伝います!」
「助かる!そこにあるそれ取って・・。」
「「はいっ。」」
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「あぁ、腹減ったき・・・。」
男が言う。
この男、身長約172センチこの時代の人にしては大男である。
外見は美男子とはとても言えないが、
目が細く、たれている所が彼を人なつこっそうに見せる。
そう。この男、坂本竜馬である。
彼は家への道を急いでいた。
目の前にはもう坂本家が見えてきていた。
「ただいま帰っちゅう!!」
大きく良く通る声でそういうと、竜馬は中に入った。
すると彼の見たこともない男と女が乙女の夕食作りを手伝っていた。
竜馬はすぐ隣にいた坂本家の下男、源二郎に聞いた。
「ありゃあだれだ?」
「あの方たちは乙女お嬢さんが拾ってきたのです。
なんでも、はやり病で両親を亡くしたらしく、
4日間飲まず食わずで歩いていたところを、乙女お嬢さんがかわいそうに思ったらしく・・・。
なんと優しく成長されて・・・・!!源二郎はうれしいです!」
ついには泣きだしてしまった。
「ほき、ととはなんと?」
「旦那様も目に涙をお溜めになって、ぜひうちに来るようにとおしゃっておりました。」
(家族が増えるのか・・。ほれっちゃあいいかもしれんな・・・・。)
竜馬は思った。
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あたたかそうなご飯、みそ汁などが並べられ竜馬の家族の面々が席に着いた。
それを確認して一家の長、竜馬の父である八平が結と頼を見て説明しだした。
「こちらにいらっしゃるお二方は両親をはやり病で亡くしてしまい、
家を追い出され、飲まず、食わずでいるのを乙女に助けられたらしい。
彼らの身の上を聞き、わしはほっておけなくなってしまった。
どうせ帰るところも無かろう。
よって家族の一員として迎えたいと思うが、依存があるやつはおるか?」
八平が周りを見回す。
反対意見を言おうとする者は一人もいないことをみとめると、
結と頼の方を向き、あたたかい笑顔でいった。
「・・・ということだ。結殿と頼殿がよければ是非家族としてお迎えしたいのだが・・・。」
結のすんだきれいな目にじわりと涙が溜まる。
「ありがとうございます!」
「このご恩は一生忘れません!!。」
そうして、竜馬家の食事は始まったのであった。
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夕食が終わり、乙女の出してくれたお茶を飲んでいると、
竜馬と春猪が時内兄弟の所に来た。
春猪は竜馬の兄、権平の娘で13才。竜馬がかなりかわいがっている姪っ子である。
興味津々に時内兄弟のことを尋ねてくる。
「おまんたち、どっから来たが?言葉が違うようやけど・・・。」
「ねぇ。おねーちゃん好きな食べ物ある?好きな遊びは!?」
「うう。そんないっきにされると・・・。」結がたじろぐ。
「そんないっきに質問したから結ちゃんも頼ちゃんも驚いてるじゃない!!」
乙女が自分のお茶を注ぎながら注意する。
少しの間、竜馬と春猪がだまる。結と頼がほっとした顔をする。
乙女はお茶を飲みながら考えた。
(この二人には本当のこと話しても大丈夫かな?
結ちゃんも頼ちゃんもきっとワケを知った上で受け入れてほしいはずだもの。)
乙女が考え事をしているのを見計らってまた、竜馬と春猪が質問攻めが始まった。
ピキッ
結の頭の血管が切れた。
「あぁ~~~!うっさいねー。この際、言っちゃうけどね。
私たちは未来から来たの。だから当然土佐弁は使えません!!」
「ああー。いちゃったよ・・・。」
頼が頭を抱える。
「「??ミライ??」」
竜馬と春猪が首をかしげる。
「未来って言うのは、これから来るずっと先の時代のことよ。」
「でも、ねーさん。ほがなことはありえないことだろ。」
「私もそう思ったんだけど、あんたの名前も知ってたし、
それに、何よりも2人の持ち物を見せてもらえば納得すると思うわよ。」
竜馬と春猪が結と頼を見る。
頼が立ち上がり、
用意してもらった結との二人部屋からたまたま、結と頼の着ていた服を持ってきた。
中から結がジャージを取り出す。
「へ~。こりゃあー奇妙な服だな~。」
「ねえ~結ちゃん。春猪、着てみたい。」
「いいよ。」
着るのを手伝ってやった。
「結ちゃん。動きやすいね~!」
うれしそうに春猪が飛び跳ねる。
「でしょ~。」
そういいながら、結は思わず吹き出しそうになった。
(日本髪にジャージはいけないよな。でも可愛いからいっか。)
やっと3話がかけた~~~。
実は結ちゃん。ケータイもってきゃったんですって!
かなり長くなると思います。
末永くよろしくお願いします。
よかったら感想ください。(m。_。)m