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TADASHIガキ

こんにちは皆さん。

森実です。

いきなり小説でなくてごめんなさい。

この題名は「ただ春の夜の夢のごとし」からとったものです。

前にこの題名で同じものをここで書かせていただいておりました。

当時、わけあって途中で完結にしてしまったものであります。

もしよろしければ読んでやってください。


※実際の歴史とは異なる点が多く、あくまでフィクションですのでご注意を!!


でははじまりはじまり!!!!





**********


これはある兄弟の記憶。

彼ら以外の誰が事実を知っているだろうか。

否。誰も知らない。

眠りから覚めた書物は、

語ってくれるが、多くは語らず、

ぼろぼろになった着物や刀は、

懐かしさを感じさせてくれるが、

ぬくもりを感じることができない。

そして、それは彼らの残像に過ぎないと言う。



祗園精舎の鐘の声、

諸行無常の響きあり。

娑羅双樹の花の色、

盛者必衰の理をあらはす。

おごれる人も久しからず、

唯春の夜の夢のごとし。

たけき者も遂にはほろびぬ、

偏に風の前の塵に同じ。



祇園精舎の鐘の音には、

この世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。

沙羅双樹の花の色は、

どんなに勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという道理をあらわしている。

己の栄光に酔いしれている者も、その栄えはずっとは続かず、

春の夜の夢のようである。

勢い盛んではげしい者も、結局は滅び去り、

まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。

     


                    『平家物語』







春深く夢の輪郭を 暈して 行き過ぎて舞い戻る

花びらは仕草を追いかけ 薄明かりの下で密やか


爪先であやす月の兎は踊り 星の間を飛び回る 口笛吹き


飛沫あがる 私駆ける

追いかける星は 廻る 廻る 小さな蕾


咲いて咲いて 月にお願い 穏やかな影に薄化粧

知らず知らず えいやと投げた 蕾は行方知れずのまま


見下ろして小さくなった雲の間に 芽を出した線香花火 円らな夢


飛沫あがる 火花翔る 問いかけた星は

代わる 代わる 顔を変えた


咲いて咲いて くるりと廻る 舞姫の如く玉響に

思い思いに動く影と 背中を合わせて ああ走る!


弧を描き 影は延びる 陽炎の先に

咲いた あった まぁるい花が


咲いた咲いた 星の破片が 月の裏側で泣いていた

気付かぬうちに 隠れてた兎もまた弧描く


咲いて咲いて 月にお願い 穏やかな影に薄化粧

知らず知らず えいやと投げた 蕾は行方知れず


咲いて咲いた 風に揺られて 穏やかな坂は薄化粧

下駄鳴らして 口笛合わせ


凛として はんなりの 心


          『凛として咲く花の如く』撫子ロック

文章の長さの都合上、

題名の元となった『平家物語』と


主人公にこのようになってほしいという願望から

撫子ロック『凛として咲く花の如く』を入れさせていただきました。

次が本当の1話になります。

よろしくお願いします。

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