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デブだと処刑される世界で、カロリー最強の勇者になった件 ~魔物を喰って強くなるぽっちゃり勇者は、食=幸せを取り戻す~  作者: あきかたりれお
第一章デモンフィールド

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第7話糖質疲労にはカロリー消費(後編)

うお!ボスデケェ!そんでもって……


ゴォンッ


思い切り殴ったのに茶色のゴーレムはビクともしない。振りかぶった腕はコロネの方を襲う。


「コロネ!」


正面からゴーレム拳を受け止める。


「ぽっちゃり勇者?!大丈夫?!」


「おうよ!俺の脂肪は衝撃吸収もお手の物だぜ!しっかし硬ぇ体だな。ラッシュしても砕けそうにねぇぞ」


「その硬度はダイヤモンド以上って言われてるわ」


「マジか」


"避け"は専門外だ。このままゴーレムの拳を受け続けたらジリ貧!奴の体を貫ける武器でもありゃあ……


「ひょーひょっ、タコ殴りじゃないかぁ〜だぁから敵わないって言ったのにィ〜コロネと組んだことを後悔するんだなぁ〜」


「戦えない女のせーでぇおデブがミンチにされちゃうよ〜キャハハ!」


わざわざ塀によじ登って観戦しているのは焼肉兄妹だ。


小物感半端ねぇな……


「全く言わせておけば」


「おぃコロネ。あんまり前に出たら危ねぇぞ」


「お気遣いありがと。でも平気よ。私これでも魔物料理人だから」


コロネは腰から二本の出刃包丁を抜く。強烈なゴーレムの拳を交わし、腕に乗ったかと思えば空中へ跳躍。


「ぽっちゃり勇者!よく見ておきなさい!」


回転しながらゴーレムの肩、腕、腰、足に至るまで複数の斬撃。身軽にも一回転して着地する。


「流石に硬いわね。研ぎたての出刃包丁が刃こぼれしちゃったわ」


「なんて綺麗な剣技だ……お前すげぇなコロネ!」


「っば、バカ言ってないでさっさと倒しなさい!見てたでしょ?私が切れ込み入れた関節の位置」


!……関節!それがなきゃ動くことなんざできねぇってことか!


「ハッハー!流石魔物料理人!見えるぜ!岩野郎のウィークポイント!」


迫りくるゴーレム。


ありがてぇ。なんせこちとら、エネルギー溜め込みすぎて動くのもダリィんだからよォ!


「5000kcal使用……」


キィインッ


いつもは赫灼の拳が黄色に輝き出す。


莫大なエネルギーを拳の先に集約!ポヨンポヨンの拳じゃダメだ!鋭く強く、関節を穿つ!!


「インスリンラッシュ!」


左右の拳を突き出す。細いエネルギー破が放たれ、注射針のようにゴーレムの全ての関節を捉えた。


ガラガラッ


音を立てて崩れ落ちるゴーレム。舞い散る岩の欠片に混ざり、紫色の石が。


すかさずコロネがキャッチした。


「魔石よ!やるじゃない!さすがぽっちゃり勇者!」


「まぁな」


ふぅと一息付くと俺の口から大量の白い煙が。否、口からだけでは無い。全身から噴きでてくる。


「やだっなに?!どうしたのそれ?!」


「俺にも分かんねぇ。体が熱ィだけだから気にするな。ラッシュの影響だろ」


ゴーレムの体の一部をひっくり返す。平らな岩の断面は黒光りしており――


「これが、肉のランクが上がる鉄板」


「ボーッとしてたのにそこだけは覚えてるのね」


「美味いものの話は脂肪に記憶されている。コロネ。キングピグの残りがあっただろ?焼くぞ!」


「抜け目のない脂肪だこと」


勝利より飯。


コロネはアイテムボックスから切り分けた豚肉を取り出した。


「う、嘘だ。クソザコ馬鹿舌のコロネが、デモンフィールドクリアだと?!有り得ない!!」


まだ居たのか。焼肉兄妹。


「そうよ!何かインチキしたのよ!だってデブぢゃん!インチキ!」


「!……そうだなぁ。"デブ"だもんなぁ」


カルビは塀の上に立つと渦巻きの前髪を整える。


「おぃ馬鹿舌悪食女とデブ。覚悟しろよ?これから僕をコケにしたことを後悔することになるからねぇ!」


「コロネ、胡椒は?」


「もちろんあるわ」


「聞け!!!」


「俺の飯の邪魔するんなら、ぶっ飛ばすぞ」


ギロッ


睨みをきかせると焼肉兄妹は揃って塀から逃げおおせたのだった。


◇◇◇


ジュワ〜


俺の脂肪を擽る音。立ち上る香り。色づく豚肉。


ゴーレムの体で焼いた肉はランクが上がるというのも間違いじゃ無いらしい。


「美味そぉ〜!」


「欲を言えば牛が良かったけどね」


「肉なら問題ねぇ。間違いなくコイツも――」


更に移された肉をナイフで切り、一口。


「ステーキ肉だぜぇ〜ッ」


「ン!元々美味しかったけど、弾力に噛みごたえ、口の中での蕩け方が段違いね。甘みも増してるから胡椒との相性が抜群だわ」


フォークで一枚刺し豪快に噛みちぎる。こんな食い方、異世界でしかできない。


「糖質疲労ってやつはもういいの?」


「あぁ。インスリン注射しまくったからな。ゴーレムに発散したから問題ねぇ」


「そう。で、白い煙はどうにかならないの?どんどん量増えてない?」


「こっちも熱くてかなわねぇんだよ。そのうち止まんだろ。今は肉だ」


ギギギ


石造りの扉が開く。


新しい挑戦者か?俺たちが倒しちまったけど……


ドカドカ、勢いよく入ってきたのは軍帽を被った人々。揃いの白い軍服が物々しい。


「肥満取締部隊!どうしてこんな所に……」


「僕が密告したのさ」


軍服の間から生える渦巻き頭。


「カルビ……まずいことになったわね」


軍服の男が一人。背筋を伸ばし前へ。


「私は肥満取締部隊の隊長。ロネーゼだ。君かい。この世界を汚す怠惰なデブっていうのは?」


ボロネーゼ……


ぽっちゃり勇者、ピンチか――?!




















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