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デブだと処刑される世界で、カロリー最強の勇者になった件 ~魔物を喰って強くなるぽっちゃり勇者は、食=幸せを取り戻す~  作者: あきかたりれお
第一章デモンフィールド

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第1話異世界転生ぽっちゃり勇者

俺はデブだ

だけどただのデブじゃない

異世界を制する、超強いデブだ


太ましい体。ムチムチ擦れ合う肉。クリームパンみたいな拳が赫灼に輝く。


「メタボリックモード。3000kcal使用。メッツパンチ!」


たおやかな体から繰り出されたパンチが、巨大な竜の腹を貫いた。


◇◇◇


ハンバーガー。ポテトチップス。唐揚げ。ラーメン。ケーキ。


この世は美味い物で溢れていて、それらは総じてカロリーというものが高い。


食べること大好きな俺は22歳、175cm、120kgのスーパーおデブだった。


おデブが理由で彼女に振られた。職場でもいじめを受けた。

だから俺はダイエットに明け暮れた。見返してやろうと。


走って、我慢して、また走って、我慢。炭水化物は禁止。ブロッコリーとささみ。ドレッシングも禁止。


そして俺は――


めちゃくちゃ痩せた。痩せたらまた女が寄ってくるようになったし、周りからの視線も気にならなくなった。


やっと痩せられた。毎日鏡を見るのが楽しい。


でも苦しい。食べたい。食べたい。食べたい。


ある日、会社から帰宅後、酷い目眩に襲われた。冷蔵庫を見るが、あるのはささみとプロテイン。口にねじ込むが、味気ない。


「美味しくねぇ……はは、何やってんだ、俺」


美味しい食べ物が大好きだった。お腹いっぱいになるまで食べる、幸せな瞬間が大好きだった。


「はぁ……」


冷蔵庫の前で倒れ込む。頭に浮かぶのはフライドポテトとハンバーガーと炭酸ジュース。


ぐぅぅ……


腹の虫が音を立てる。


「あ〜……二郎ラーメン食いてぇ……」


それが俺の、最期の言葉だった。


◇◇◇


目が覚めると、俺は異世界転生していた。


どうやら俺は過度のダイエットで餓死したらしい。多少のガックリ。


「……いや、二郎ラーメン食いたかったっていう最期の願い、叶えられるチャンスだ!異世界に二郎ラーメンがあるか分かんねぇけど、異世界ではもう我慢しねぇ。食べたい時に食べる!飯=正義、幸せ!」


俺は二郎ラーメンを求め一歩前へ踏み出した。


「う……」


体が重い。荷物を持っているとかでは無い。動きが鈍いのだ。この感覚、まさか――


俺は恐る恐る民家の窓ガラスに目をやる。そこへ写っていたのは、ふくよかな頬っぺたと丸みを帯びた腹。ムチムチした腕。


おデブな俺だった。


「リバウンドしてる?!」


異世界転生。全く酷い仕打ちである。


◇◇◇


その後、トボトボ俺が向かったのは冒険者ギルド。道行く旅人が「冒険者になれば一攫千金も夢じゃない!」等と話していたからだ。


こうなったら、稼ぎまくって食いまくる!異世界の美食屋になってやる!


「ン?……冒険者パーティ登録は、最低……二人から?!マジかよ。こんなとこに友達なんか居ねぇってのに」


立ち止まっていても始まらない。俺は同じく一人と見受けられる冒険者に声をかけることにした。


「はぁ?テメェそんな体でどうやって戦うっつーんだよ?冗談は体だけにしてくれるか?おデブちゃん」


「まず体を鍛えてから出直してこい。筋肉が泣いてんぞ」


撃沈。


まぁそうだなよな。こんな体じゃ、剣も振れやしねぇ。冒険者がダメなら飲食店とか?バイトなんてあんのかな?


冒険者ギルドから出て、すぐの事だ。


「こっちに来ないで!!」


「待ちやがれクソ女!」


右側から響く怒号。見れば、逃げる赤髪の女の子を屈強な成人男性二人が追いかけているではないか。男が女の子のボブショートを掴み、辺りは騒然とする。


「手間かけさせやがって!今月末の支払いしっかりしてもらうからな!!」


「っ離して!アンタ達、お父さんの大切なレストランを取り壊したじゃない!銅貨一枚だって払わないわよ!」


「払えねぇっつーならカラダで稼いで貰うしかねぇなぁ」


スキンヘッドと顔に傷のある柄の悪い男たち。事情は知らないが放っておけない。


「おぃ!大の大人が寄って集って何してるんだ?」


「あぁ?なんだこのおデブは?ぷー!コイツ剣なんて引っさげてるよ!このナリで冒険者か?ゴブリンの家畜の間違いじゃねぇの?」


「そっちこそ、やってることがクズすぎて同じ人間とは思えねぇな」


「あぁ?痛い目見ねぇと分かんねぇらしいな?クソデブがよォ!」


男は棍棒を俺めがけ振り下ろしてきた。

武器を!と腰元に手をやるが――


と、届かない?!うおおおぉこの体デブすぎるだろ?!


棍棒が俺の頬を思い切りぶん殴った。


吹っ飛んだのは棍棒。真っ二つに折れ、地面に突き刺さる。


「今、なんかした?」


ちょっとだけ頬がチクッとしたような……


目の前のスキンヘッドの男は、折れた棍棒を片手に大口を開けて震えている。


よく分かんねぇけど、剣に届かないなら、あとは殴るしかないないな!!


握りしめた瞬間、拳が熱くなる。


止まれないのでそのまま突き出す。俺のクリームパン拳は、男の顔面にクリーンヒット。


男は土煙と共に上空数mへ打ち上げられたのだった。


顔に傷のある男もあんぐり口を開け、赤髪の女の子も驚愕している。


勿論俺が一番驚いているのだが。


このデブ、動けるタイプのデブだ!!!


BMI40越え。太るほど強い冒険者、田部たべ大我たいがの異世界生活が幕開けだ。















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