過去作の振り返り~ミステリジャンル敗残者の記憶~
わたしはとある業界でほそぼそと働いています。
そこでは他者様の著作物をお借りして、いろいろな活動をしているものの、あるときから一つの思いが浮かんで、こうしてときおり文章を書いては投稿をしています。
その思いというのは「自分の著作物でやりたいなあ」というものです。
仕事はものすごく雑に言うとプロデュースやディレクションに近く、言い方はあれですが、クリエイターの方々にご注文と言う名でお願いをする立場です。
作品や個人の個性をどう活かすのかを考える仕事な一方、さまざまな権利者様たちの考えや立場に触れ、バランス感覚や筋論を考えることの多い仕事でもあります。
さて。
そんな生活の中、絵を描けるわけでも、プログラムを書けるわけでもないわたしが、どうしたら多くの方々に受け入れられるのかを考えながらせこせこ作ったのが、こちらとなります。
謎が解けなきゃ、被害者は私だ。
https://ncode.syosetu.com/n4408hi/
本を読む機会はそれなりにあったものの、文章を書くのは始末書程度だったわたしにはとても大変だった記憶があります。
目標としている「自分の著作物で仕事をしたい」というところには遠く及ばず、多くの先人やクリエイターの方々には頭が下がる思いが強くなったばかりです。
そんな弱小零細微生物のわたしが、↑を書いた時に考えていたことを、整理も兼ねて書いてみようと思います。
1.まず書かないことには始まらない
2.書店を含めた市場を見ると「ミステリー」ジャンルが良さそう
3.「なろう」はユーザーボリュームが多く、新しい物語展開を求める層も存在する
1つ目にあげたことは、意気込みの話です。
この頃は比較的仕事が落ち着いていたこともあり、深夜の散歩で人を避けながらスマホでぽちぽちと打ち込んでいた記憶があります。
2つ目以降はもしかすると人とは違う作り方なのかもしれません。
どうしても数字と市場をにらめっこする仕事柄、「著作物」で勝負しようとしたとき、どこに市場性があるかを考えました。
文芸自体の市場が縮小傾向なのは目をつぶり(絵やプログラムが無理だから)、ボリュームをとれそうなジャンルとしてここを選択しました。
その他、「単話形式で展開しやすい」、「コストリワードを計算しやすい」、「寡占ジャンルである(当時)」というのも理由になりました。
※ファンタジーの方がボリュームはありますが、求められる文字数も多いのでわたしには難しかったように思います
※主人公の姿がころころ変わるのは良さもあった一方、悪い点もあったかなあ、と
現在の「ミステリー」を含むカテゴリーは予想していた通り、中華風ミステリーが勃興し、わたし程度では太刀打ちできないジャンルになっています。
中華風ミステリーについては、ジャンルの盛り上がりを感じ挑戦はしたものの、完全に爆死しました。
敗因は「単話形式」がスムーズにできなかったことが一番大きく、差別化として導入した要素(三国志)もメインターゲットに合わず、失敗だったと思います。
3つ目の点は、現状でも大きく変化はないように感じているものの、漫画でも似た試みが成功している点でやや通用しにくくなっていると気がします。
当時はランキングや更新のタイミングを考慮し、人気ジャンルをマイナージャンルに展開することで上位にあげることに成功しましたが、現在は難しく、貪欲に新しい方向性を開拓してきた「異世界転生」が個別カテゴリーになってしまった点も踏まえると、横展開がしにくくなっているのではないでしょうか。
もちろん、いまでも目標を取り下げるつもりではありません。
中途半端になってしまっているものもあるので、それはどうしようかと考えていますが(セルフリメイクで設定を盛って詰まる)、それで進捗が止まるよりは新しく何か作りたいなあと考えています。
現状で必要な要件は「ミステリー」ジャンルであること、「単話形式」で読みやすいこと、読み手も「推理しやすい」、「広く知られるモチーフが存在する」ことと考えています。そのほか、もしわたしの腕ががんばってくれるようであれば、「楽曲(詩)」を効果的に活用する、「主人公の姿は変わらない」あたりは実現したいなあと。
そんなつもりです。
文章を書くのには向かないのだなあ、と感じながらも、クリエイター様とのコミュニケーションは少し変わったかなあ、と感じながら振り返りました。