98.もっと早く言えよ……。
《自宅警備員がレベルアップしました》
《〈地脈操作〉のクラススキルを習得しました》
翌日の早朝、よく分からないスキルを習得した。
仕方がないので、ベルナベルに鑑定を頼むことにする。
「ほう、地脈を操作できるのか。これはそうじゃな、地下水脈の操作や土壌の改善ができるスキルじゃな。〈浮遊島〉に畑でも作るなら必要そうになるスキルじゃが……主の場合は魔族の隠れ里などに使う方が利益が大きかろう」
「へえ。便利だな。青葉族や黒影族の隠れ里や魔王城に使うかな」
「そうじゃな。それで……今日わしは聖痕の探索に同行するんじゃったな?」
「ああ。大陸の中央山脈……多分、最後の聖痕はドラゴンだろう。ベルナベルに手伝ってもらいたい」
「分かった。ドラゴンか……あれは肉が絶品でな。牙、爪、鱗、血液、……どこを取っても最上級の素材になる。冒険者ギルドなぞに持ち込めば一騒動じゃ。解体するなら魔王城でやるといいぞ」
「そうか、大陸最強のドラゴンを持ち込むのはトラブルになりそうだしな。分かった、ドラゴンの死体は魔王城で解体することにするよ。確か生産系スキルを持った悪魔もいたよな?」
「うむ。わしにも主にも不要品じゃろうがな」
「そうだな。俺は直接、戦うタイプじゃないから武装は不要だし、ベルナベルはそのままで無敵だしなあ」
「換金するのも一苦労だろうから、〈アイテムボックス〉の肥やしになりそうじゃな」
「チョコレートや〈闇市〉の手数料で金は唸るほど持っているからなあ。まあひとまず出来上がった品は死蔵だな」
もったいないが、使い手がいない。
換金しようとしても国宝級の品を誰が買い取るというのか。
……おっと、聖痕を保有しているのが本当にドラゴンかはまだ確定じゃなかったな。
例え聖痕を持っているのがドラゴンじゃなかった場合でも、ベルナベルに一頭、狩ってきてもらおう。
カーシャとマニタのもとから戻って来た〈代理人〉と記憶の統合をする。
今日はそのままふたりには魔族の隠れ里の地脈改善活動に取り組んでもらおう。
というわけで隠れ里に送り返す。
魔王役の〈代理人〉は魔王城の畑のために〈地脈操作〉を使わせることにして、同様に送り出した。
〈浮遊島〉は無事に中央山脈に入ったらしく、警戒しつつ聖痕のある方へ移動中とのことだ。
ベルナベルによると、ドラゴンは魔眼で魔力を見るらしいので、隠れ里で覆われていても〈浮遊島〉の接近を感知するらしい。
中身は見えないが巨大な魔力の塊が接近してきたら警戒心を煽るだろうから、どこかで戦闘を仕掛けてきてもおかしくないらしい。
「もっと早く言えよ……」
「そうじゃったな」
〈ホットライン〉で〈浮遊島〉と連絡を取り、ベルナベルを迎えに来てもらう。
ドラゴンが襲ってきてもベルナベルがいれば撃退も可能だろう。
さあ、最後の聖痕を取りに行こう。
《名前 コウセイ 種族 人間族 性別 男 年齢 30
クラス 自宅警備員 レベル 89
スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈槍技〉〈暗視〉〈気配遮断〉
〈性豪〉〈料理〉〈礼儀作法〉〈ウワバミ〉〈毒耐性〉〈痛覚軽減〉
〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉
〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈高速詠唱〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉
〈相場〉〈個人輸入〉〈匿名掲示板〉〈魔力眼〉〈多重人格〉
〈睡眠不要〉〈闇市〉〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉
〈隠れ里〉〈牢獄〉〈テイム〉〈監視カメラ〉〈ホットライン〉
〈帰還〉〈領土〉〈変身〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉
〈眷属強化〉〈ダンジョンマスター〉〈浮遊島〉〈城塞〉
〈リサイクル〉〈監視衛星〉〈永続召喚〉〈地下迷宮〉〈天運〉
〈視界共有〉〈ボーンアーチャー召喚〉〈地脈操作〉
〈アイテムボックス〉〈経験値90倍〉〈契約:ベルナベル〉
〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉〈隷属:魔王軍〉
〈従魔:マーダーホーネット〉〈従魔:レッドキャトル〉》
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