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初期クラスが自宅警備員であるため一歩でも宿から出ると経験値が全く得られなくなるらしいので、自室に引きこもります!  作者: イ尹口欠
聖痕収集編

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90.正直、持て余しています。

 魔王の個別面談が終わってしまってベルナベルが暇になりました。

 正直、持て余しています。


 ……ほんとどうするかなあ。


 聖痕探索部隊も俺だけで足りるようになってしまった今、ベルナベルは過剰戦力だ。

 そのくせ退屈が大嫌いなので、何かさせていないといけないわけで。


 朝は朝食の時間帯にクロエのとこの〈代理人〉に呼ばれたので派遣したが、すぐに戻って来た。

 どうやら魔術師ギルドのギルドマスターのリリアレットがベルナベルの不在に文句をつけに来たらしいが、当のベルナベルがあっという間に現れて撤退したらしい。


 そして戻ってきてしまったベルナベル。

 昨晩は散々に搾り取られて、今朝はダラダラとふたりで朝食を摂っていたところだった。

 さて食事も終わったから、ベルナベルをどこかへ派遣したいわけだが……どこへ派遣すればいいやら。


「ベルナベル、正直なところやることがない」


「うむ。聖痕探しは主だけでも足りるしのう。魔王城の面談も昨日で終わった。わしは何をするべきじゃろうか」


「ひとまず今日はダンジョンでレッドキャトルのテイムをしてもらおうかと思う。レッドキャトルが確実に出るわけじゃないから雑魚の掃討も頼むんだが、沢山テイムできれば黒影族の隠れ里に預けられる」


「なるほど、それは良いな。しかし久々に乳だけでなく肉も食べたいのう」


「レッドキャトルは貴重だからなあ。潰して肉にするのはまだ惜しい」


「そうじゃな。仕方がない、では今日はそれに付き合うか」


「すまんがよろしく頼む」


 ダンジョンに〈代理人〉とともに送り出す。


 これで今日は退屈せずに済むだろう。

 しかし連日この作業をやらせられるかというと、微妙だ。

 魔物ガチャ自体がレッドキャトルが出るまで退屈なのだ。

 明日も同じことを、と言ったら嫌な顔をするに決まっている。


 何か妙案はないだろうか……。


 〈匿名掲示板〉と〈新聞閲覧〉を広げながら、俺はいつものルーチンワークに没頭した。



 ダンジョン、名もなき洞窟の中層。

 ここに〈隠れ家〉の扉を設置して、俺は本体との行き来ができるようにしておきながら、〈ダンジョンマスター〉でレッドキャトルが出る辺りの魔力を消費した。

 出てきたのはアンデッド系の魔物だ。

 腐乱したブヨブヨに肉体から、毒ガスが噴出していて危険そうな相手だ。


「ハズレじゃのう」


「すまんが始末を頼む」


「分かっておる」


 パチン、と指を鳴らして〈空間:攻撃〉でアンデッドを真っ二つにするベルナベル。

 さすがにあの汚いのに爪で接近戦はしたくなかったようだ。


「じゃあ次、いくぞ」


「うむ」


 同じだけ魔力を消費してレッドキャトルが出るのを祈る。

 だが出てきたのは、ライカンスロープだった。

 獣人系の魔物だ。

 ライカンスロープはベルナベルに向かって行ったが、あえなく爪でバラバラにされて死んだ。


 俺の魔力だと、レッドキャトルが出せる魔力帯は三回で打ち止めだ。

 最後の魔力を使って、魔物を呼び出す。

 出てきたのは?

 残念、ゴブリンの亜種だった。


 もちろんベルナベルが瞬殺して終わった。


「すまんが入れ替わってくる。ちょっと待っててくれ」


「……うむ」


 ヤバい。

 早くも退屈しかけているぞ。

 これ一日も保つかなあ?



《自宅警備員がレベルアップしました》

《〈幸運〉のクラススキルを習得しました》


 ほう、〈幸運〉とな?

 どうやらパッシブスキルのようだが、効果は想像がつく。

 これは〈ダンジョンマスター〉で欲しいものが出やすくなるに違いない。

 他にも〈幸運〉が適用される範囲は広そうだが、ひとまず宝箱設置と魔物配置に効果があってくれれば良い。


 ……あるよな、効果?


 あとでベルナベルに鑑定してもらおう。

 と思ったらダンジョンから魔力切れの〈代理人〉が戻って来たので記憶の統合をする。

 むぅ、マズいな。

 ベルナベルは既に退屈し始めている。

 とりあえず再び〈代理人〉を出して〈幸運〉について鑑定してもらうとしよう。



 結論から言えば、〈幸運〉は宝箱設置にも魔物配置にも効果があった。

 レアリティの高めのアイテムが出やすくなったのは体感して分かるし、魔物配置の方でもレッドキャトルが早くも出たとのことで、ベルナベルの〈空間:拘束〉で捉えて〈牢獄〉に入れた。

 良かった、これでベルナベルも少しは報われる。


 しかし本当に明日からどうしようか……。


《名前 コウセイ 種族 人間族(ヒューマン) 性別 男 年齢 30

 クラス 自宅警備員 レベル 83

 スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈気配遮断〉〈性豪〉〈料理〉

     〈礼儀作法〉〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉

     〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈高速詠唱〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉

     〈相場〉〈個人輸入〉〈匿名掲示板〉〈魔力眼〉〈多重人格〉

     〈睡眠不要〉〈闇市〉〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉

     〈隠れ里〉〈牢獄〉〈テイム〉〈監視カメラ〉〈ホットライン〉

     〈帰還〉〈領土〉〈変身〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉

     〈眷属強化〉〈ダンジョンマスター〉〈浮遊島〉〈城塞〉

     〈リサイクル〉〈監視衛星〉〈永続召喚〉〈地下迷宮〉〈幸運〉

     〈アイテムボックス〉〈経験値70倍〉〈契約:ベルナベル〉

     〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉〈隷属:魔王軍〉

     〈従魔:マーダーホーネット〉〈従魔:レッドキャトル〉》


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