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8.やはり、一発勝負か。

 部屋で激しい運動をすると迷惑になりそうなので、〈隠れ家〉でランニングをした。

 なるほど、体育館として使えばいいのだな。


《〈経験値4倍〉のスキルが〈経験値5倍〉に進化しました》


 よし、経験値増加スキルが進化したぞ。


《自宅警備員がレベルアップしました》

《〈写し技〉のクラススキルを習得しました》


 レベルが九になってスキルが増えたのだが。

 なんぞこれ?

 よく分からないスキルだ。

 こういうとき、スキルの説明がないと困る。


 試しに起動してみるか……。


《警告。〈写し技〉でコピーする対象がありません》


 コピーする?

 これってもしかして、他人のスキルをコピーできるとか、そういう奴?

 やべ、壊れスキル来たぞ。


 もしかしてこれを使えば、金策に繋がるスキルを習得できるのではなかろうか?

 それどころか戦闘系のスキルだって習得できるかもしれない。

 スキルコピーとは気が利くじゃないか、自宅警備員。


 使い所は夕食か朝食の席だろう。

 狙いはハッキリとは決めていないが、金儲けに繋がるようなスキルがいい。

 できるだけ強力な奴。



 さて夕食の時間がやって来た。

 客足は上々とはいかないが、半分ほどの席が埋まっている。

 中には以前、〈聞き耳〉で盗み聞きした冒険者パーティもいる。

 これは期待できそうだ。


 カウンター席につき、さっそく〈写し技〉を起動する。


《現在の〈写し技〉の対象は以下の通りです。

 〈料理〉〈給仕〉〈相場〉〈目利き〉〈鋼の胃袋〉〈鋭敏味覚〉〈ウワバミ〉》


 ……うん?

 なんか雑魚っぽいスキルが並んでいるが。

 少し、考えてみようか。


 まず「現在の〈写し技〉の対象」ということは、使うタイミングによって得られるスキルの内容が変わるということだ。

 わざわざ現在の、とついていることと、スキルの一覧の内容からすると、現在、周辺で使用されているスキルをコピーできる、ということじゃなかろうか。


 ……つまり、戦闘中に使うような強力なスキルはコピーできない、ということでもある。


 少しアテがハズレた。

 しかし待て。

 〈相場〉と〈目利き〉はなんか使えそうじゃないか?

 例えば相場より安い商品を〈通信販売〉で入手して、売却するとか。

 〈目利き〉の方は……あ、これって実際に商品を見て良し悪しを判断するスキルか?

 じゃあ微妙だな、〈相場〉の方が俺向けだ。


 チラっとテーブル席の方を見る。

 案の定、商談をしていると思しきふたりの商人がいた。

 ひとりが何か商品らしきものを提示しており、もうひとりが質問をしている。


 この機会を逃すと、〈相場〉は入手できなくなるかもしれない。

 明日の朝になれば別のスキルも一覧に入りそうだが、食事どきに使われるスキルにロクなものはなさそうだし、これはチャンスだと思って〈相場〉で決めるのが良さそうだ。


 俺は緊張しつつも〈写し技〉の対象から〈相場〉を選択した。


《警告。〈写し技〉を〈相場〉に変化させますか?》


 やはり、一発勝負か。

 〈写し技〉が何度も使えたら、スキルをコピーし放題だからなんとなくそれは想像ができていた。


 ……よし、いくぞ。


 俺は〈写し技〉を〈相場〉に変化させる。

 すると、変化は劇的だった。

 目の前の料理の値段が手に取るように分かる。


 これが〈相場〉スキルか……なかなか強いんじゃねえの?


 俺は満足して、料理をさっさと平らげると、部屋に戻って〈通信販売〉を起動したのだった。


《名前 コウセイ 種族 人間族(ヒューマン) 性別 男 年齢 30

 クラス 自宅警備員 レベル 9

 スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈聞き耳〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉

     〈隠れ家〉〈相場〉〈アイテムボックス〉〈経験値5倍〉》


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