表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初期クラスが自宅警備員であるため一歩でも宿から出ると経験値が全く得られなくなるらしいので、自室に引きこもります!  作者: イ尹口欠
聖痕収集編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/177

76.お前は一体、どこへ向かっているんだ?

 俺は殺人鬼タケヒトの死亡を〈匿名掲示板〉のニュース速報に書き込んだ。

 タケヒトのことを知っているらしい奴からは「信じられない」との書き込みもあったが、ニュース速報に訃報を書き込まれた連中はきっちり全員死んでいるから、ここでの俺の書き込みは割りと信ぴょう性があるとみなされている。

 もちろん成りすましもあるが、そういう連中の書き込みは即座に俺が否定してやっているので、ニュース速報スレはフェイクニュースで溢れたりしてはいない。

 これも日頃から運営を頑張っている俺の努力の賜物だ。


「おい主。今日はわしとお楽しみじゃぞ」


 キラキラした笑顔でベルナベルが言った。

 夕食後、俺はベルナベルにたっぷりと搾り取られた。

 夜淫の化身であるベルナベルも当然のように〈睡眠不要〉で、俺も〈睡眠不要〉がある。

 つまり、そういうことだ。



 翌朝になった。

 疲労で動きたくないが、ホロウィンドウがポップアップしているので確認しなければならない。


《自宅警備員がレベルアップしました》

《〈監視衛星〉のクラススキルを習得しました》


 なんだか随分とハイテクなスキルだな。

 どうした自宅警備員、お前は一体、どこへ向かっているんだ?


 起動すれば、地上を上空からリアルタイムで見ることができるホロウィンドウが現れた。

 ただし人間は米粒のように小さく、個人を監視するのには向かない。

 じゃあ一体、何を監視するというのか。

 ひとまず街の位置はこれで調べられるが、そもそも〈精霊:使役〉でスタート地点には〈浮遊島〉で行けるわけだから、そんなに旨味はない。

 む、視点を地上に向けて拡大することはできないが、視点を引くことで広範囲を見られることに気づいた。

 もっと引いていくと、大陸全土が画面に入るようになる。

 つまりこれはバーチャル地球儀なわけだ。


 ……面白い玩具ではあるが、実用性がないな。


 とはいえこれを見て分かったこともある。

 この世界はひとつの巨大な大陸があるだけで、その外側はすべて海になっているのだ。

 南北の極点には氷塊があり陸地として見れなくはないが、人が住める領域ではないだろう。

 随分と歪な世界だが、それは地球を知っているから言えることで、この世界ではこれが普通なのだ。


 さて〈代理人〉たちと記憶の統合を行っていこう。

 青葉族のカーシャのもとへ派遣していた〈代理人〉から、レッドキャトルの乳が取れたという情報を得た。

 既に〈アイテムボックス〉に保管してくれているらしい。

 従魔とはいえ、さすがに環境が変化したばかりでは乳の出も良くなかったようで、今まで献上されてこなかったのだ。

 非常に美味であるというレッドキャトルの乳だ、後でベルナベルと頂こう。


 黒影族のマニタのもとへ派遣していた〈代理人〉からは、新しい畑で野菜が収穫時期に入ったと連絡があった。

 できるだけ購入するようにしよう、と記憶に留めておく。


 ふと黒影族の野菜は購入しているのに、青葉族からは何も購入していないことに気づく。

 ちょっと不均衡だな。

 レッドキャトルの乳が安定して得られるようになったら、献上品ではなく購入するようにしておこう。


 魔術の研鑽をしている奴らから成果がひとつ上がってきた。

 なんでも戦闘後に残ったボーンガーディアンを〈リサイクル〉することができるとのことだ。

 生物は〈リサイクル〉できないが、ボーンガーディアンはアンデッドだから生きていないし、元が俺の魔力でできていることもあってか、〈リサイクル〉で魔力の回収が可能らしい。


 クロエの婿となって宿の厨房に立っている〈代理人〉からは、親子丼の差し入れがあった。

 白米を〈個人輸入〉で仕入れたようで、初日から宿の客を虜にしたらしい。

 久々の地球の料理だ、ありがたく頂こう。


 ローレアの家で勉強漬けになっている〈代理人〉は、社交ダンスを習得したようだ。

 どうやらローレアの婚約者としてどこかのパーティーでお披露目を受けるらしい。

 貴族社会もなかなか大変そうだな。


 聖痕探索しているコーニエル部隊は、ようやくひとつ目の聖痕を入手したとの嬉しい知らせがあった。

 ベルナベル不在だったが、魔物と戦闘の末に宿った聖痕を回収できたとのこと。

 思えば俺も強くなったものだ。

 さてこれで俺の所持する聖痕は九つ目だ。

 もちろんスキルの強化は〈経験値50倍〉になった。


 さて昨晩で一ヶ月が経過したわけで、今日から異世界生活の二ヶ月目に入る。

 宿代の更新はもうないが、他の地球人たちはちゃんと稼いで宿なしになっていないだろうか?

 俺が気にすることでもないが。


 そういえばクロエのとこの〈代理人〉が聞いた話によると、タクミとエミコが『鍋猫亭』に移ってくるそうだ。

 親子丼にはさぞ、喜ぶことだろうな。


 さて、今日も聖痕探索など仕事が目白押しだ。

 頑張ろう。


《名前 コウセイ 種族 人間族(ヒューマン) 性別 男 年齢 30

 クラス 自宅警備員 レベル 75

 スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈聞き耳〉〈忍び足〉〈性豪〉

     〈料理〉〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉

     〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈高速詠唱〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉

     〈相場〉〈個人輸入〉〈匿名掲示板〉〈魔力眼〉〈多重人格〉

     〈睡眠不要〉〈闇市〉〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉

     〈隠れ里〉〈牢獄〉〈テイム〉〈防犯カメラ〉〈ホットライン〉

     〈帰還〉〈領土〉〈姿写し〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉

     〈眷属強化〉〈ダンジョン管理〉〈浮遊島〉〈城塞〉〈リサイクル〉

     〈監視衛星〉〈アイテムボックス〉〈経験値50倍〉

     〈契約:ベルナベル〉〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉

     〈従魔:マーダーホーネット〉〈従魔:レッドキャトル〉》


面白い、続きが読みたい、そういった読者様は評価とブックマークで応援してください。

評価とブックマークは作者のモチベーションに関わるため、是非ともお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ