67.魔力を消費してガチャを回す感じか。
ダンジョン攻略に赴いていた〈代理人〉が戻って来た。
どうやらダンジョンを手中に収めてきたらしい。
何を言っているのか良く分からなかったので、記憶を統合する。
……ああ、なるほどね。〈ダンジョン管理〉か。
面白いスキルだ。
現在の名もなき洞窟は、俺の支配下にあるらしい。
本来ダンジョンコアを倒した後のダンジョンは、ただの空虚な自然洞窟になっていたことだろう。
しかし〈ダンジョン管理〉を習得した〈代理人〉がいたために、ダンジョンは引き続き俺が管理できるようになったようだ。
しかしあのダンジョン、街から少し離れているのが難点なんだよなあ。
ダンジョンの使い道を考えていると、ふとそもそも他人を入れる必要がないことに気づいた。
〈ダンジョン管理〉でできることは、魔物の配置と罠の設置、そして宝箱の設置である。
テイムしたい魔物を配置したり、魔法の品の入った宝箱を設置したり、やりたい放題じゃないか。
そしてななつ目の聖痕を身に宿したことで、〈経験値40倍〉になった。
よしよし、順調だな。
そしてレッドキャトルの〈テイム〉も成功したらしい。
折角の番だし、黒影族のところで食用に増やしてもらいたい。
後でマニタのところへ送る〈代理人〉に連れて行かせるか。
あとはダンジョンの管理者として〈代理人〉を常にひとり派遣するようにしておこう。
〈ダンジョン管理〉で具体的にできることは分からないから、スキルの模索をしてもらわねば。
一応、ベルナベルにスキルの鑑定をしてもらったが、複雑すぎてよく分からない、と返ってきた。
珍しいこともあるものだ。
「仕方なかろう。ダンジョンの管理など多機能すぎるし、複雑怪奇じゃ。さしものわしも、スキルでできることすべては見通せぬよ」
「すべてじゃなければ、幾らかは分かるのか?」
「主が把握している程度のことじゃ。敢えて言うまでもなかろう?」
一応それでもベルナベルの見抜いたスキルの内容と俺の理解の範囲が異なる可能性もあるので聞いてみたが、魔物の配置、罠の設置、宝箱の設置と変わることはなかった。
ベルナベルは「それわしの言った通りじゃろ」と言った。
「もし宝箱からエロい道具が出たら、わしにくれ」
「そんなものは出さないよ」
「……ん? ああ、主よ。残念なお知らせがある」
「なんだ?」
「宝箱の設置は、魔力を込めれば込めた分だけ、高品質なものが出るのじゃが……何が出るかは分からないのじゃ。つまり欲しい魔法の品を自由に作り出せるわけじゃないということじゃな」
「マジで?」
「マジじゃ。ついでに魔物と罠も同じじゃ。好きに設置できるのは扉など一部のオブジェクトくらいのものじゃな」
つまり魔力を消費してガチャを回す感じか。
なるほどね、まあそれならそれで、回しまくるだけだけど。
《名前 コウセイ 種族 人間族 性別 男 年齢 30
クラス 自宅警備員 レベル 67
スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈聞き耳〉〈忍び足〉〈性豪〉
〈料理〉〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉
〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉〈相場〉
〈個人輸入〉〈匿名掲示板〉〈魔力眼〉〈多重人格〉〈睡眠不要〉
〈闇市〉〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉〈隠れ里〉
〈牢獄〉〈テイム〉〈防犯カメラ〉〈ホットライン〉〈帰還〉〈領土〉
〈姿写し〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉〈眷属強化〉
〈ダンジョン管理〉〈アイテムボックス〉〈経験値40倍〉
〈契約:ベルナベル〉〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉
〈従魔:マーダーホーネット〉〈従魔:レッドキャトル〉》
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