61.嬉しくないはずがない。
〈精霊:使役〉で次なる聖痕の位置を探る。
方角が決まったら、ベルナベルと共にその方向へと歩き始めた。
もうすぐこの世界に来て一ヶ月になろうとしている。
見つかった聖痕は全部でななつ。
多いのか、少ないのか。
それすら分からないことに多少の苛立ちを感じる。
黙々と歩いていると、突如としてホロウィンドウがポップアップしてきた。
《自宅警備員がレベルアップしました》
《〈護衛召喚〉のクラススキルを習得しました》
《〈護衛召喚〉と〈ボーンウォーロード召喚〉を統合します。〈ボーンガーディアン召喚〉を習得しました》
〈代理人Ⅲ〉になったお陰で、こうして最新のステータスが反映されるようになったのは、地味に嬉しい変化だ。
さて新しいスキルは、〈ボーンウォーロード召喚〉を上書きした〈ボーンガーディアン召喚〉だ。
ウォーロードとガーディアンだとどちらが強いのか微妙だが、ベルナベルにスキルを覗いてもらったところ、順当に進化したとのことだった。
具体的には盾と甲冑が強化され、全体的なスペックが向上したとのこと。
なるほど、それならば悪くない。
前衛を務めるボーンガーディアンには時間稼ぎを任せられれば、俺の〈ホーミングジャベリン〉で相手を確殺できる。
欲しいのは前線を膠着させる防御力なのだから、理想的な進化と言えよう。
「三体も召喚すれば、わしを十秒ほど抑え込めるぞ。相性差があるとはいえ、凄まじい戦力になったのう」
三体も召喚して十秒しか抑えられねえのかよ。
ほんと強いなベルナベル。
「ふむ……折角じゃ。主の本体に召喚の練習をするための〈代理人〉でも用意させるように進言するかのう」
「召喚の練習?」
「魔術は使い込めば、応用が効くようになる。例えば主の召喚なら、同時に複数のボーンガーディアンを召喚することができるようになったりするのじゃ。だが戦闘より移動に時間をかけておる主は召喚の機会自体がなかなかない。しかし魔術を一日中、練習する〈代理人〉を立てられれば、問題はなかろう? 〈隠れ家〉の一室でも与えて魔術の研鑽を積ませるのじゃ」
「それはいいな。というか、もっとそういうことは早く言ってくれよ」
「主にはわしという最強の手札がある。主が弱くともなんとかなってきた。しかしこうして戦いの、魔術の才能を見せられると、もったいなくなってきてしまったのじゃ。許せ」
確かに最初の頃はベルナベルに戦闘はすべて任せて、俺は聖痕の回収のためについていくだけだった。
それが今や強力な前衛を召喚し、相手を殺す槍を作り出せる。
一人前の魔術師として戦えるという評価になったのだ。
あのベルナベルの基準で、だ。
……嬉しくないはずがない。
ベルナベルは早速、〈ホットライン〉で本体に連絡を取っている。
記憶の統合をすれば練習の成果は〈代理人〉たち全員に共有されるのだ。
通話を終えたベルナベルが聖痕のある方角へと歩き出す。
俺は少しだけ気分を高揚させながら、それに続いた。
《名前 コウセイ 種族 人間族 性別 男 年齢 30
クラス 自宅警備員 レベル 63
スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈聞き耳〉〈忍び足〉〈性豪〉
〈料理〉〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉
〈精霊:使役〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉〈相場〉〈個人輸入〉
〈匿名掲示板〉〈魔力眼〉〈多重人格〉〈睡眠不要〉〈闇市〉
〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉〈隠れ里〉〈牢獄〉
〈テイム〉〈防犯カメラ〉〈ホットライン〉〈帰還〉〈領土〉
〈姿写し〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉
〈アイテムボックス〉〈経験値35倍〉〈契約:ベルナベル〉
〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉〈従魔:マーダーホーネット〉》
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