54.しかし悠長に構えていられない。
《聖痕をその身に宿しました。強化するスキルをひとつ指定してください》
《〈経験値25倍〉のスキルが〈経験値30倍〉に進化しました》
《自宅警備員がレベルアップしました》
《〈執事召喚〉のクラススキルを習得しました》
《〈執事召喚〉と〈ボーンナイト召喚〉を統合します。〈ボーンウォーロード召喚〉を習得しました》
結論から言えば、ボーンナイトは知性を得た。
召喚して命令に従う以外に、自らモノを考えて、俺のために動くようになったのだ。
同時に剣と盾の扱いにも習熟する。
知性を得た以上、大雑把なパワーファイターから、パワーもありつつ理知的に戦い方を構築できるようになったのだ。
執事要素が吸われた結果、ボーンナイトは大幅にパワーアップしたと言って良い。
……従者と執事がいれば俺の仕事も減ったかもしれないが、戦闘能力に変換されたと考えればそう悪くはないかな。
ベルナベルという無敵カードがあるが、自分も戦えて損はない。
特に魔術師としては頼りになる前衛を幾らでも補充できるのは強みだった。
……しかし、遂に日本人を殺してしまったか。
殺し合いに参加する気は当初はなかったが、〈精霊:使役〉を使って聖痕を集め始めたとなると阻止しなければならない。
あれを見逃していたら、俺が折角コツコツと築き上げたリードが脅かされるのだ。
俺は地球へ戻りたいとは思っていない。
しかし、死んでいいとはまったく思っていないのだ。
……殺されるのはまっぴら御免だ。
だから先に聖痕をできるだけ集めようとしていたわけで。
まさかあの時点でリョウマと遭遇するとは。
幸い、〈精霊:使役〉は森人族にとってもレアスキルだ。
同じことができる奴はそういないはず。
しかし悠長に構えていられない。
異世界に来てから二十四日目。
地球人たちも異世界にそろそろ十分に馴染んできている頃だ。
俺は〈匿名掲示板〉の書き込みに注意しながら、〈代理人〉を起動した。
今晩はカーシャのもとへ派遣しよう。
《名前 コウセイ 種族 人間族 性別 男 年齢 30
クラス 自宅警備員 レベル 51
スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈聞き耳〉〈忍び足〉〈性豪〉
〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉
〈精霊:使役〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉〈隠れ家〉〈相場〉
〈個人輸入〉〈匿名掲示板〉〈魔力眼〉〈代理人〉〈隠れ家Ⅱ〉
〈多重人格〉〈睡眠不要〉〈闇市〉〈ボーンウォーロード召喚〉
〈別荘〉〈夜の王〉〈隠れ里〉〈牢獄〉〈テイム〉〈防犯カメラ〉
〈ホットライン〉〈代理人Ⅱ〉〈帰還〉〈アイテムボックス〉
〈経験値30倍〉〈契約:ベルナベル〉〈隷属:青葉族〉
〈従魔:マーダーホーネット〉》
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