表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初期クラスが自宅警備員であるため一歩でも宿から出ると経験値が全く得られなくなるらしいので、自室に引きこもります!  作者: イ尹口欠
聖痕収集編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/177

22.これが本来のベルナベルの姿か?

 〈隠れ家〉から出て、俺はベッドに腰掛けながら〈匿名掲示板〉の管理と〈新聞閲覧〉をしていた。

 俺の背中にくっついてベルナベルが〈匿名掲示板〉と〈新聞閲覧〉のホロウィンドウを覗き込んでいる。

 他人には不可視なはずなのだが、当たり前のように視えるらしい。


「興味深いスキルじゃ」


「面白いだろ? こんなのばっかりだよ、俺のスキルは」


 スレが埋まっていたので、急いで新しいスレを建てた。

 スレ建て代行には「早くしろ」との催促のコメントが幾つかついていた。

 せめて次スレが建つまで、減速するということを覚えてもらいたい。



 夕食後、俺は再び〈匿名掲示板〉の管理と閲覧に戻った。

 ベルナベルは退屈そうにそんな俺を眺めている。


「のう、主よ。わしは普通の食事もできるが、一番に欲しいのは精なのじゃ」


「精? ああ、エロい方のエネルギーか?」


「まあその通りじゃが。のう、主よ。主ひとりでは身がもつまい? わしは折角、表の世界に来たのでな。思う様、男を漁りたいのじゃ」


「…………」


「そんな顔をするでない。わしが肌を重ねるのは主だけじゃ」


「は? それじゃどうやって精を集めるんだ?」


「〈淫夢〉と〈忘却〉を使う。淫らな夢を見せて精を吸い上げ、その後にその夢のことを忘れさせるのじゃ。わしは本来、そうやって精を吸い上げるものでな。実は肌を重ねるのは効率が悪い」


「じゃあなんで俺の童貞を奪ったし」


「主は別じゃ。わしと契約の繋がりもあるゆえ、特別に美味に感じられる。だから直接、精を吸い上げたい。じゃが他の有象無象の男からなら、〈淫夢〉経由で十分じゃ」


「ふうん。まあ〈忘却〉で忘れるっていうんなら問題はないんだろうな」


「もちろんじゃ」


「分かった。昼みたいな激しいのは俺もキツいし、〈淫夢〉で精を集めてきてもいいぞ」


「おお! 話が分かる主じゃ。よし、では早速、行ってくる」


 スラリ、とベルナベルの背中からコウモリのような翼が生える。

 先端が菱形に尖った尻尾も生えてきた。

 頭部には二本のねじ曲がった大きな角が生えてくる。

 これが本来のベルナベルの姿か?


「ぬふふ……では行ってくる。朝には帰るでの」


「ん、ああ」


 シュン、とベルナベルはその場から消えた。

 飛ぶでもないのに翼はなんのためにあるのやら。


 疑問に思いながら〈匿名掲示板〉を弄っていると、ホロウィンドウがポップアップしてきた。


《自宅警備員がレベルアップしました》

《〈隠れ家Ⅱ〉のクラススキルを習得しました》


 十九レベルになった。

 どうやらもうひと部屋、〈隠れ家〉を作成するスキルらしい。

 今のところ使い道は思い浮かばない。


 ……ん、いや待て。


 この〈隠れ家Ⅱ〉は〈隠れ家〉の中にしか作れないようだ。

 その上で〈隠れ家Ⅱ〉には扉がふたつあり、もう片方は自由な場所に開くことができる。

 つまり〈隠れ家Ⅱ〉を外で使うと、一瞬にして〈隠れ家〉へと戻って来れる、という使い方ができそうだ。


 ……いや、そんな目立つ帰り方をしないと思うが。


 しかし覚えておいて損はない。

 最近は〈代理人〉で外に出ることも多いからな。


《名前 コウセイ 種族 人間族(ヒューマン) 性別 男 年齢 30

 クラス 自宅警備員 レベル 19

 スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈聞き耳〉〈忍び足〉〈性豪〉

     〈闇:召喚〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉〈隠れ家〉〈相場〉

     〈個人輸入〉〈匿名掲示板〉〈魔力眼〉〈代理人〉〈隠れ家Ⅱ〉

     〈アイテムボックス〉〈経験値5倍〉〈契約:ベルナベル〉》


面白い、続きが読みたい、そういった読者様は評価とブックマークで応援してください。

評価とブックマークは作者のモチベーションに関わるため、是非ともお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ