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173/177

173.何か好きなこととか見つかるといいな。

《自宅警備員がレベルアップしました》

《〈資本投下〉のクラススキルを習得しました》


 夕方になった。

 続々と〈代理人〉たちが集まる中、レベルアップを知らせるホロウィンドウがポップアップする。


「帰ってきて早々だがベルナベル、俺の新しいスキルを見てもらえるか?」


「うむ? レベルアップしたようじゃな。ふむ……これはまた特殊なスキルじゃ」


「どんなスキルだ?」


「自他限らずあらゆる行動に金銭を投入することで、その行動を強化するというスキルじゃな。投入した金銭が多いほど強化の度合いが高まるようじゃな」


「お金を使ってブーストするのか。消費した金銭はどこへ消えるんだ」


「さてな。この世から消滅するのではないか?」


「うーん、安易には使えないな」


「強化の度合いとしては、金貨1枚で対象のレベルがひとつ上昇するくらいじゃな。主ならば金貨をたんまり持っておるじゃろ。一時的にじゃが、凄まじい力を発揮できるのではないか?」


「……俺自身に使う場合、身体能力を使った行動は一切ブーストされないということではないのかそれは?」


「そうじゃな。主のような極端な場合はそうなるのう」


「分かった、ありがとう」


 金貨なら唸るほどあるが、自分自身に使う場合は魔力のブーストにしか使えないのは痛い。

 逆に言えば、ベルナベルやアカリリスにポンと金貨100枚ほど投入すると凄いことになりそうだ。


「参考までにベルナベルとアカリリスのレベルは幾つくらいなんだ?」


「わしのレベルは320じゃな」


「私のレベルは290……ベルナベルより低いけど戦えば私の方が強い。そこは覚えておくべき」


 ベルナベルが「わしだって魔術を全開にすればお主に負けることはないわ」と言い返すも、アカリリスは「スピードとパワーで圧倒できる」と言って譲らない。


「どっちが強いか論争はひとまず置いておけ。俺が契約者である以上、ふたりが共闘することはあっても争うことはないだろう? それより〈資本投下〉で金貨100枚も投入すればレベルが100も上昇してふたりでも一気に強くなるのが分かっただけで十分だ」


「「…………」」


 ふたりは視線だけで威嚇し合いながら、言い争いは止めた。


 さてリザルトを確認しようか。

 まずはエチゴヤからだ。

 アサエモンは相変わらず重犯罪者から〈記憶奪取〉をしてきたらしいので、悪いスキルが五人分、新たに入手される。


《〈暗号作成〉のスキルを習得しました》

《〈暗号解読〉のスキルを習得しました》

《〈目利き〉のスキルを習得しました》

《〈拳聖〉のスキルを習得しました》

《〈ダーティファイト〉のスキルを習得しました》

《〈即席武器〉のスキルを習得しました》

《〈透明化〉のスキルを習得しました》

《〈霧隠れ〉のスキルを習得しました》

《〈奇襲攻撃〉のスキルを習得しました》

《〈悪路踏破〉のスキルを習得しました》

《〈曲芸走行〉のスキルを習得しました》

《〈瞬時加速〉のスキルを習得しました》

《〈情熱の瞳〉のスキルを習得しました》

《〈誘惑〉のスキルを習得しました》

《〈性愛の美技〉のスキルを習得しました》


 まず格闘系最上位スキル〈拳聖〉、目潰しや金的など手段を問わない戦術を可能にする〈ダーティファイト〉、そして周囲の物品を拾い上げて武器にする〈即席武器〉はスカルガーディアンに統合しようと思う。

 剣を失っても格闘やその辺に落ちている物品で戦える悪どい戦士になるわけだ。

 攻撃の幅が広がるので純粋強化となるが、どうだろう。


《〈拳聖〉と〈ダーティファイト〉と〈即席武器〉と〈スカルガーディアン召喚〉を統合します。〈スカルガーディアン召喚〉を習得しました》


 次に姿を完全に消す〈透明化〉をウィスパーホロウに統合する。

 完全に姿を消し、取り憑いた対象に一方的に囁き洗脳する悪どい幽霊が誕生するはずだ。


《〈透明化〉と〈ウィスパーホロウ召喚〉を統合します。〈ウィスパーホロウ召喚〉を習得しました》


 魔力で視界を遮る煙幕を生み出す〈霧隠れ〉、そしてそこからの〈奇襲攻撃〉は暗殺者であるスカルアサシンにこそ相応しいだろう。


《〈霧隠れ〉と〈奇襲攻撃〉と〈スカルアサシン召喚〉を統合します。〈スカルアサシン召喚〉を習得しました》


 〈悪路踏破〉〈曲芸走行〉〈瞬時加速〉、これらは一体どんな悪人が所持していたのだろうか。

 ともあれすべて〈鬼馬召喚〉に統合するべきだろう。


《〈悪路踏破〉と〈曲芸走行〉と〈瞬時加速〉と〈鬼馬召喚〉を統合します。〈鬼馬召喚〉を習得しました》


 残った〈暗号作成〉〈暗号解読〉〈目利き〉〈情熱の瞳〉〈誘惑〉〈性愛の美技〉は俺が保持するか。

 最後のみっつは使い道に気をつけないと、危なそうだけど。


 そしてエチゴヤからの記憶で気になったのは、コウセイがふたり存在していることをアブラナサント王国に掴まれたことだろう。

 エチゴヤが脅したお陰で戦争に巻き込まれたり、周囲にバラされたりすることはなさそうだが、コウセイが複数存在することがバレたのは痛手だ。

 何事もなければ良いが、エチゴヤが積極的に動いてくれるようなので、対処は任せることにする。


 大迷宮探索部隊は宝箱を探してウロウロしている。

 一度、すべて回収しているためかリポップしている宝箱は数が少なく、魔物も減っているようだ。

 大迷宮といえども魔物や宝箱の設置に要する魔力が莫大なのは想像に難くない。

 ただベルナベルによると、ダンジョンコアは種族特性としてダンジョンのために消費する魔力にかなり大きな割り引きがあるらしく、俺たちほど苦労はしていないとのことらしいが。

 さすがに宝箱の総数が少なくて、有用なスキルオーブは入手できなかったそうだ。


 宝箱設置をしているダンジョンの管理人の方では、有用なスキルオーブがひとつ入手できた。

 〈染色〉である。

 〈皮革〉と〈服飾〉があるので、ついでに〈染色〉も持っておこうということらしい。

 どれだけ使うかは謎だが、あって損はない、と思っておくことにしよう。


《〈染色〉のスキルを習得しました》


 さて今日はベルナベルは〈淫夢〉で精を集めてくる日だ。

 早々に姿を消したベルナベルに対して、やはりアカリリスは暇そうにしている。


「今日も主様の錬金術を見学する」


「そっか。退屈させてすまないな」


「退屈には慣れている」


 前にも聞いたセリフなので気になって尋ねたら、天使は女神の命令があるまで何もせずに待機状態だったらしいし、堕天してからは魔界でひっそりと何もせずに過ごしてきたらしい。

 数百年単位でじっと何もせずにいるのに慣れているそうだ。

 俺と契約している間に、何か好きなこととか見つかるといいな、アカリリス。

《名前 コウセイ 種族 人間族(ヒューマン) 性別 男 年齢 20

 クラス 自宅警備員 レベル 109

 スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈念話〉〈演説〉〈槍聖〉〈騎乗〉

     〈暗視〉〈気配察知〉〈危険感知〉〈気配遮断〉〈魔力隠蔽〉

     〈精密作業〉〈情熱の瞳〉〈誘惑〉〈性豪〉〈性愛の美技〉〈料理〉

     〈醸造〉〈錬金術〉〈農耕〉〈皮革〉〈染色〉〈服飾〉〈解剖知識〉

     〈暗号作成〉〈暗号解読〉〈統率力〉〈礼儀作法〉〈権謀術数〉

     〈賄賂〉〈目利き〉〈審美眼〉〈酒豪〉〈感覚遮断〉

     〈オートマッピング〉〈マナ集積〉〈呪破〉〈福音の祈り〉

     〈新緑の魔手〉〈麻痺眼〉〈未来視〉〈直感〉〈鬼馬召喚〉

     〈スカルアサシン召喚〉〈ウィスパーホロウ召喚〉〈スキル強制統合〉

     〈闇:召喚Ⅱ〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉

     〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈高速詠唱〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉

     〈相場〉〈個人輸入〉〈魔力眼〉〈多重人格〉〈睡眠不要〉

     〈スカルガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉〈隠れ里〉〈牢獄〉

     〈テイム〉〈監視カメラ〉〈ホットライン〉〈帰還〉〈百面相〉

     〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉〈眷属強化〉

     〈ダンジョンマスター〉〈浮遊島〉〈城塞〉〈リサイクル〉

     〈永続召喚〉〈地下迷宮〉〈天運〉〈ボーンスナイパー召喚〉

     〈地脈操作〉〈霊脈操作〉〈全異常無効〉〈王威〉〈寄生〉〈天冥眼〉

     〈王道楽土〉〈記憶奪取〉〈資本投下〉〈アイテムボックス〉

     〈経験値100倍〉〈契約:ベルナベル〉〈契約:アカリリス〉

     〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉〈隷属:魔王軍〉

     〈従魔:マーダーホーネット〉〈従魔:レッドキャトル〉

     〈従魔:アイスドラゴン〉》

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