表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

144/177

144.まだ心臓がバクバクいってるよ。

 今日も日が暮れる。

 続々と集まり記憶を共有していく〈代理人〉たち。

 さて本日のリザルトを確認しよう。


 まずエチゴヤ商会が無事に開店した。

 従業員の教育はほとんどしていないが、貴族相手の礼儀作法ができている者だけをひとまず雇用していることもあって、単純な売買ならば店番を任せられる。

 エチゴヤ自身は店に常駐していることもあって、不明点はすぐに質問しに来るよう周知徹底してあるため、なんとか一日を乗り切れたそうだ。

 客は貴族の使いがメインだが、稀に貴族当人が訪れることもある。

 まだ貴族の顔と名前を知らないため、むしろこの辺りの見分け方は従業員の方が得意だ。

 だから店主であるエチゴヤは表には出ずに、〈監視カメラ〉で店内の様子をモニタリングしながらヘルプに応じるというやり方をしていた。

 従業員が慣れてくれば、エチゴヤ自身がいなくても店が回るようになるのもそう遠くない未来だろう。

 それと常連客はエチゴヤも顔と名前の一致は必須だから、従業員から客についての情報収集は欠かせない。

 勢いで店舗を持ったが、なかなか運営は難しいものだ。


 大迷宮探索部隊は第八十階層に到達した。

 実際に見たことのない魔物が多数出現するようになっており、宝箱からはダンジョン管理人の魔力では届かない物品が出ている。

 順調に難易度が上がっているようでなにより。

 このペースだといずれはオリハルコンやエリクシールの入手も夢じゃないぞ。

 そして有用なスキルオーブをひとつ入手してきていた。

 〈麻痺眼〉である。

 これは睨みつけた相手の身体を麻痺させるという便利なものだ。

 魔力を強く込めることで抵抗されづらくなるので、魔力が豊富にある俺と相性がいい。

 早速、習得しよう。


《〈麻痺眼〉のスキルを習得しました》


 宝箱設置をしているダンジョン管理人の方も有用なスキルオーブをひとつ入手してきていた。

 〈遠隔技能行使〉である。

 これは〈遠隔魔術行使〉のスキル版である。

 視界内なら任意の地点にスキルを発生させられるという強力な効果がある。

 〈視界共有〉があったときならそこを起点にスキルを使用できたのだが。

 今なら〈天眼〉からスキルが使用できるようになるはずだ。

 これは大きいぞ。


《〈遠隔技能行使〉のスキルを習得しました》

《〈遠隔技能行使〉と〈天眼〉を統合します。〈天冥眼〉を習得しました》


 効果は先程の説明と変わらない……いや、格段にズーム機能がアップしているようだ。

 これなら空から個人に向けて〈麻痺眼〉を向けたり、目の前にボーンガーディアンを召喚したりとやりたい放題できる。

 もちろん屋外限定ではあるが、恐ろしいスキルだ。


 というわけで早速、中央山脈に〈天冥眼〉を使い、〈魔力眼〉で強力なドラゴンを探す。

 いたいた、莫大な魔力を持った巨大なドラゴンが、背中に苔を生やしている状態で居眠りしている。

 かなり永い時間を生きてきたドラゴンなのだろう、コイツに決めた。


 俺は〈天冥眼〉から〈寄生〉を使用する。


 おお素晴らしい、力がみなぎってくるぞ。

 ドラゴンは自分に何処からかかけられた呪いに目を覚まし、周囲に視線をやる。

 そして――俺と目が合った。


 〈危険感知〉が命の危険を警告する。

 すぐさま〈寄生〉を解除し、〈天冥眼〉を切った。


 ……危ないところだった。


 〈寄生〉で繋がった魔法的な経路を逆算して、こちらの本体に攻撃を仕掛ける素振りを見せていた。

 あれほどのドラゴンに居所を掴まれたらヤバい。

 〈危険感知〉が警鐘を鳴らすのが少しでも遅れていたら、俺はどうなっていたんだろうか。

 背筋に冷たい汗が流れる。


「どうした主。顔色が悪いぞ」


「ああ、それがな――」


 事の顛末を語ると、ベルナベルは呆れた顔で言った。


「なるほどな。そのような技量を持つ古代竜を相手に不用意に〈寄生〉したのか」


「ちょっと迂闊だったよ。まさか逆探知されるとは思ってもみなかった」


「うむ、そのような存在はわしも想定外じゃ。ドラゴンの中でも恐らくは最強格じゃろう。興味深い」


「まだ心臓がバクバクいってるよ」


「仕方ないのう。少し休め。ただし今日は主と肌を重ねる日じゃ。休息の後はベッドでひと暴れしてもらうぞ」


「そうだな。少ししたら落ち着くだろうから、待っててくれ」


 落ち着いた後、ひと暴れもふた暴れもした。

《名前 コウセイ 種族 人間族(ヒューマン) 性別 男 年齢 30

 クラス 自宅警備員 レベル 101

 スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈槍聖〉〈暗視〉〈気配察知〉

     〈危険感知〉〈気配遮断〉〈魔力隠蔽〉〈性豪〉〈料理〉〈醸造〉

     〈錬金術〉〈農耕〉〈礼儀作法〉〈審美眼〉〈酒豪〉〈痛覚軽減〉

     〈オートマッピング〉〈呪破〉〈福音の祈り〉〈緑の手〉〈麻痺眼〉

     〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉

     〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈高速詠唱〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉

     〈相場〉〈個人輸入〉〈魔力眼〉〈多重人格〉〈睡眠不要〉

     〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉〈隠れ里〉〈牢獄〉

     〈テイム〉〈監視カメラ〉〈ホットライン〉〈帰還〉〈領土〉

     〈百面相〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉〈眷属強化〉

     〈ダンジョンマスター〉〈浮遊島〉〈城塞〉〈リサイクル〉

     〈永続召喚〉〈地下迷宮〉〈天運〉〈ボーンアーチャー召喚〉

     〈地脈操作〉〈霊脈操作〉〈全異常無効〉〈王威〉〈寄生〉〈天冥眼〉

     〈アイテムボックス〉〈経験値100倍〉〈契約:ベルナベル〉

     〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉〈隷属:魔王軍〉

     〈従魔:マーダーホーネット〉〈従魔:レッドキャトル〉

     〈従魔:アイスドラゴン〉》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ